【2019年】企業のIT投資が40.8%増!働き方改革の切り札「RPA・AI」に活路を見出す日本企業

2019年6月3日の本社集計によると、主要企業の設備投資計画において、IT(情報技術)関連の投資額が前年度実績を大きく上回り、全産業(回答数845社)で40.8%増の8,486億円という驚異的な伸びを示していることが明らかになりました。これは、近年喫緊の課題となっている「働き方改革」と深く結びついており、深刻化する人手不足の解消や、さらなる業務効率化への強い要請が、各社のIT投資を後押ししているといえるでしょう。

なかでも積極的な姿勢を見せているのが、IT関連投資額で首位となった日本たばこ産業(JT)です。同社は、従来のインフラ基盤増強に加え、「業務の高度化や働き方改革に取り組む」と表明しています。その取り組みの核となるのが、「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」と呼ばれる技術です。これは、経理や調達といった定型的な事務作業をソフトウェアのロボットが自動で処理する仕組みで、これにより人間が行っていた煩雑な作業から解放されることが期待できます。また、消費者からの問い合わせ対応についても「チャットボット」を整備し、人工知能(AI)を活用したデータ分析の利用も推し進める計画です。

また、大和ハウス工業も68.3%増と大幅な投資増を計画しており、やはりRPAやAIの活用を急ぐことで、「生産効率を上げるための投資を増やす」方針です。さらに、IHIは増減率が2.3倍に跳ね上がりました。これは、国内4工場で行っている航空機整備や部品生産において、生産性を倍増させることを目指したIT関連投資に大きく舵を切ったためです。具体的には、作業員向けのタブレット端末の導入や、業務の自動化を可能にするシステム整備がその柱となっています。4月に国土交通省から行政処分を受けた航空整備の検査体制への対応もあり、ITを活用した品質管理や検査のトレーサビリティー(製品の生産から流通・消費に至るまでの履歴を追跡できること)の強化にも重点的に投資するとしています。

これらの動きは、日本の企業が、AIやRPAという最先端のデジタル技術を「生産性向上」と「人手不足解消」の決定的な切り札として捉え始めていることを示しており、私自身の意見としても、この大きな流れは当然であると考えます。特に、RPAはプログラミング知識がなくても比較的容易に導入できるため、まさに**「業務の民主化」**を促進する技術だといえるでしょう。この積極的なIT投資の波は、日本の産業構造を大きく変革していく可能性を秘めているのではないでしょうか。

ところで、この記事に関するSNSでの反響を見てみると、「うちの会社もRPA導入したけど、効果がすごい」「IT投資で本当に働き方が変わるのか期待したい」といった期待の声や、「大手企業だけじゃなくて、中小企業にもこの波が広がってほしい」といった中小企業への波及を望む声が多く見受けられます。また、「システム投資はリスクも伴うから、計画的な導入が大切だ」といった冷静な意見も存在し、企業側の期待とともに、技術導入の難しさに対する懸念も垣間見えます。

一方で、医療機器メーカーのテルモは、1980年代から稼働してきた物流管理システムを約30年ぶりに刷新します。このシステムをクラウド(SAP)ベースに切り替えることで、全世界の物流管理システムを標準化するグローバルな基盤を築こうとしているのです。これにより、「地域ごとにシステムが異なることで発生する手間やコストを削減し、物流管理を効率化できる」としています。2018年度に日本で導入を済ませた後、2019年度以降は北米やインドなどでも順次導入する計画が立てられています。

このように、各社がIT関連投資を加速させている背景には、単なる業務効率化に留まらない、グローバル競争力の強化や事業継続性の確保といった、より戦略的な視点があることが見て取れます。特に、RPAやAI、クラウド技術といった**デジタルトランスフォーメーション(DX)**を牽引する技術への投資は、企業が未来を切り開くための不可欠な要素となっているのでしょう。

スポンサーリンク

主要企業のIT関連投資ランキング:積極的な投資の波

今回の調査で、IT関連投資額の上位にランクインした企業を見ると、業界や業種を超えて多くの企業が積極的な投資計画を打ち出していることが分かります。特に、IHIの増減率が132.7%増と突出しており、次いで電通が72.9%増、クボタが76.0%増、そして丸井グループが96.1%増と、倍近い、あるいは倍を超える伸び率を示す企業も登場しています。これらの企業は、ランキング表からも見て取れるように、働き方改革や生産性向上への強いコミットメントを示しているのでしょう。

順位 社名 2019年度当初計画(百万円) 2018年度実績(百万円) 増減率(%)
1 日本たばこ産業 45,000 44,400 1.4
2 JR東日本 44,400 38,700 14.7
3 JTB 16,000 16,000 0.0
4 IHI 15,900 6,833 132.7
5 テルモ 13,600 11,900 14.3
6 クボタ 13,200 7,500 76.0
7 LIXILグループ 11,600 7,400 56.8
8 富士フイルムホールディングス 10,700 10,213 4.8
9 大和ハウス工業 8,870 5,271 68.3
10 電通 8,800 5,089 72.9
Google スプレッドシートにエクスポート

これらの結果からも、2019年度は、企業のIT投資が本格的な拡大期に入ったと判断してよいのではないでしょうか。RPAやAIといった先進技術を武器に、日本企業が抱える課題を乗り越え、国際的な競争力を高めていくための重要な一年となるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました