日本のスマホ市場に激震が走っています。2019年06月18日、総務省の有識者会議において、携帯電話の解約違約金を1000円に引き下げ、端末のセット割引を上限2万円に制限する方針が事実上決定しました。これまで当たり前だった「実質0円」や「大幅値引き」が、2019年10月の法改正を境に姿を消すことになります。ユーザーの負担軽減を目的としたはずのルールですが、実は私たちの選択肢を奪う深刻な副作用を孕んでいるのです。
ネット上では「安く買えるのが唯一の楽しみだったのに」「iPhoneが高級品に戻ってしまう」といった悲鳴に近い声が相次いでいます。特に注目されているのが、通信契約と端末購入を切り離す「分離プラン」の徹底です。これにより、通信料で端末代を補填するモデルが禁止され、スマホそのものの価格がダイレクトに家計へ響く時代が到来します。総務省は競争促進を掲げていますが、果たしてこれが本当に消費者のためになるのか、疑問の声が止まりません。
救世主「おかえしプログラム」に忍び寄る規制の影
NTTドコモが2019年06月から先行して導入した「スマホおかえしプログラム」も、前途多難な状況に立たされています。これは36回の分割払いのうち、24回分を支払って端末を返却すれば、残りの支払いが免除されるという画期的な仕組みです。しかし、この「免除額」が曲者です。もし免除される金額が中古の下取り価格より2万円以上高くなってしまうと、それは「行き過ぎた利益提供」とみなされ、規制の対象となってしまうのです。
例えば、世界情勢の影響で急激に価値が下落した端末の場合、2年後の価値が100円程度になってしまう可能性も否定できません。そうなれば、残債免除という仕組み自体が「2万円以上の割引」に該当し、法律違反となるリスクが生じます。キャリア側は「多くの機種で問題ない」としていますが、2年先の市場価格を正確に予測することは神業に近いと言えるでしょう。せっかく始まった新しいサービスが、数カ月で存続の危機に瀕しています。
「iPhone潰し」の正体?型落ちモデルが買えなくなる不都合な真実
最も深刻な打撃を受けるのは、日本で圧倒的なシェアを誇るAppleのiPhoneです。Appleはブランド価値を維持するため、安い新製品を出すのではなく、数年前の「型落ちモデル」を値下げして販売する戦略を長年続けてきました。2019年現在でも、数年前に登場したiPhone 7やiPhone 8が根強い人気を誇っていますが、今回の法改正ではこれらの機種を安く売ることが極めて困難になる見通しです。
総務省は例外として、製造中止から1年以上経過した在庫端末などの割引を認めていますが、iPhoneは発売から数年経っても製造が続けられる稀有な製品です。そのため、ルール上の「型落ち」に該当せず、いつまでも高価なまま据え置かれるというジレンマに陥ります。業界関係者が「これは明らかなiPhone潰しだ」と憤慨するのも無理はありません。賢く安い旧モデルを選びたいという、庶民の切実な願いが無視されているように感じます。
今回の決定は、表面上は「分かりやすい料金体系」を目指したものですが、蓋を開けてみれば、最新のハイスペック機も愛着のある旧モデルも、すべてが「高嶺の花」になりかねない危うさを秘めています。家計を預かる身としては、自由な価格競争を阻害する過度な規制よりも、多様な選択肢が残される市場であってほしいと願わずにはいられません。秋の改正に向けて、私たちが注視すべきは、スマホが贅沢品に逆戻りしないかどうかという点です。
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