2019年07月11日、総務省が公表した最新の住民基本台帳に基づく人口調査により、新潟県が直面している極めて深刻な現状が浮き彫りとなりました。県内の総人口は前年と比較して2万1982人も減少しており、年間の減少幅が初めて2万人を突破するという衝撃的な事態を迎えています。この数字は、一つの町が丸ごと消滅してしまったかのようなスピード感であり、地域の活力を維持するための瀬戸際に立たされていると言えるでしょう。
特に注目すべきは、日本人の減少数が全国でワースト3位という不名誉な記録を残してしまった点です。統計によると、新潟県内の全ての市町村で人口が右肩下がりとなっており、どこか特定の地域だけでなく県全体が等しくこの荒波に晒されています。SNS上では「地元に仕事がないから戻れない」「インフラの維持が心配」といった、切実な将来への不安を吐露する声が相次いでおり、県民の危機感はかつてないほどに高まっている様子が伺えます。
加速する人口減少の背景と「自然減・社会減」の正体
そもそも人口が減る要因には、亡くなる人が生まれる人を上回る「自然減」と、進学や就職を機に県外へ転出する人が増える「社会減」の二種類が存在します。新潟県においては、少子高齢化による自然減だけでなく、東京圏などへの若者の流出という社会減が止まらないことが、全国ワーストクラスの結果を招いた主因だと考えられます。専門用語で言うところの「東京一極集中」の弊害が、この北陸の地で顕著な数字となって現れているのです。
こうした状況を打破すべく、新潟県の花角英世知事は起業の促進や子育て支援策の拡充など、矢継ぎ早に対策を打ち出しています。しかし、人口減少のスピードを抑制するまでには至っていないのが現状であり、さらなる実効性のある施策が強く求められています。単に手当を増やすだけでなく、若者が「ここで働きたい」と思えるような魅力的な雇用の創出や、ITを活用した新しい働き方の提案など、時代のニーズに即した構造改革が必要不可欠な時期に来ているのでしょう。
筆者の個人的な見解としては、数字のインパクトに悲観するだけでなく、この危機を「地方の在り方」を再定義するチャンスと捉えるべきだと感じます。これまでの延長線上にある対策では、急激な過疎化に太刀打ちできないことは明白です。例えば、定住人口を増やすことだけに執着せず、観光や副業で関わる「関係人口」を増やすなど、柔軟な発想で地域を活性化させる視点が、令和という新しい時代を生き抜く鍵になるのではないでしょうか。
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