日本を象徴する最高峰、富士山の2019年夏の登山シーズンに、ある変化が起きています。山梨県富士吉田市が2019年09月02日に発表したデータによると、主要な登山ルートである吉田口登山道の利用者数が、前年に比べて落ち込んでいることが判明しました。具体的には、2019年07月01日の開山から2019年08月31日までの2カ月間で、6合目を通過した登山者は16万655人にとどまっています。
この数字を2018年の同時期に記録された17万6684人と比較すると、約9%もの減少となります。特に夏休みの本番である2019年08月単体の数字を見ても、9万9415人と前年より5566人少なくなっており、山頂を目指す人々の足取りが例年よりも緩やかだったことが伺えるでしょう。登山道の混雑が緩和されるのは一見良いことのように思えますが、地域の観光産業にとっては見過ごせないニュースです。
SNS上では、この減少傾向に対して「週末の悪天候が続いたから仕方ない」「混雑しすぎて敬遠されているのでは?」といった冷静な分析が目立っています。中には「弾丸登山を規制する動きが浸透してきた証拠かも」と、安全意識の高まりを指摘する声もありました。富士山は世界文化遺産に登録されていることもあり、単なるレジャー施設以上の関心が、常にネット上でも渦巻いています。
ここで専門的な観点から補足すると、富士登山における「吉田口登山道」とは、山梨県側の富士スバルライン5合目から出発する最も一般的なルートを指します。初心者でも登りやすく施設が充実しているため、全登山者の約6割がこの道を利用すると言われています。それゆえ、このルートの統計は、富士山全体の観光動向を推し量るための非常に重要な先行指標となるのです。
私の個人的な見解としては、この登山者数の減少を「ブームの終焉」と悲観的に捉える必要はないと考えています。むしろ、オーバーツーリズム(観光公害)が世界的な問題となる中で、適正な人数で山を楽しむための調整局面に入ったのではないでしょうか。自然環境の保全と、登山者の安全確保を両立させるためには、数字の多寡に一喜一憂するよりも、質の高い登山体験を提供できる環境作りが今まさに求められています。
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