2019年11月に控えた皇室の重要行事「大嘗祭(だいじょうさい)」に向け、準備がいよいよ佳境を迎えています。宮内庁は2019年9月20日、儀式で捧げられるお米を収穫する「斎田抜穂(ぬきほ)の儀」を、同年9月27日に執り行うと発表しました。この儀式は、天皇陛下が即位後に初めて五穀豊穣を感謝する大嘗祭において、最も重要な役割を果たす新米を収穫するための神聖な儀式なのです。
今回、その大役を担う「斎田(さいでん)」として選ばれたのは、東日本を代表する「悠紀(ゆき)地方」の栃木県高根沢町と、西日本を代表する「主基(すき)地方」の京都府南丹市です。これら2か所の水田では、2019年9月27日の午前10時から一斉に収穫が始まります。古式ゆかしい装束に身を包んだ奉仕者たちが、一株ずつ丁寧に稲を刈り取る姿は、まさに日本の伝統美そのものと言えるでしょう。
ここで専門用語を解説しますと、「斎田」とは神事に使うお米を作るための特別な田んぼを指します。また「抜穂(ぬきほ)」とは、熟した稲穂を抜き取るようにして収穫することを意味する言葉です。単なる農作業ではなく、自然の恵みに感謝を捧げ、国家の安寧を願う精神的な意味が込められています。SNS上では「地元が選ばれて誇らしい」「令和の時代が本格的に始まる実感が湧く」といった、お祝いと期待の声が数多く寄せられています。
編集者の視点から申し上げますと、こうした儀式が現代まで継承されていること自体、日本の文化的な層の厚さを象徴していると感じます。機械化が進む現代において、あえて手作業で一つひとつの稲穂を慈しむ姿は、私たちが忘れかけている「食」への敬意を思い出させてくれるのではないでしょうか。栃木と京都、それぞれの土地で育まれた黄金色の輝きが、新しい時代の幕開けを華やかに彩るに違いありません。
コメント