2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が目前に迫るなか、語学学習に取り組む若いビジネスパーソンが急増しています。2019年10月21日現在、SNS上でも「道案内すら英語でうまくできない」「TOEICの点数は高いのに言葉が出てこない」といった、切実な悩みが数多く投稿されている状況です。
いわゆる英語の「4技能」と呼ばれる「読む・聞く・書く・話す」能力のなかで、とりわけ日本人が苦手意識を抱きやすいのがスピーキングの分野でしょう。机に向かって単語を暗記するだけでは、生きたコミュニケーション能力はなかなか身につきません。では、外国の方々と自信を持って言葉を交わすためには、一体どのようなアプローチが必要になるのでしょうか。
この難題を解決するヒントを探るため、最前線で活躍する2人の実務家に効果的な学習の秘訣を伺いました。まず、著名な英語講師である安河内哲也氏は、客観的な指標となるスピーキングテストの積極的な活用を強く推奨されています。自分の現在地を正確に把握し、実力にしっかりと見合った試験を選ぶことが、モチベーション維持の鍵となるわけです。
スピーキングテストとは、面接やパソコンを通じて受験者の発話力を直接測定する試験を指します。難しすぎるテストを選んで挫折するのではなく、スモールステップで達成感を味わう工夫が欠かせません。一方、楽天株式会社の葛城崇氏は、組織全体で英語を社内公用語化した貴重な経験から、学習意欲を高めるための仕組みづくりについて言及されました。
社内公用語化とは、会議や資料作成などの社内業務をすべて英語で行うという大胆な取り組みのことです。葛城氏は、単に目標を掲げるだけでなく、従業員の努力を正当に評価し、きめ細かく育成していく制度の重要性を指摘しています。個人の努力に依存するのではなく、周囲がサポートする環境があってこそ、実践的な会話力は飛躍的に伸びていくのです。
インターネットメディアの編集者として数々の事例を見てきた私は、英語を「学問」ではなく「スポーツ」のように捉えるべきだと考えています。知識を頭に入れるインプットだけでなく、実際に口を動かすアウトプットの反復練習こそが、とっさの一言を生み出す源泉となるはずです。完璧な文法にこだわるあまり沈黙してしまうのは、非常にもったいないことでしょう。
失敗を恐れずに発言できる心理的安全性の高い環境を整えることと、自身のレベルに最適な測定ツールを取り入れること。この2つの要素が両輪となって初めて、本物のコミュニケーション能力が開花します。来るべき国際的な大舞台に向けて、皆さんも今日から「話す」ための新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
コメント