2019年6月18日夜に発生した大規模な地震により、山形県鶴岡市では震度6弱という大きな揺れを観測しました。特に新潟県との県境に近い鶴岡市の温海(あつみ)温泉地域は大きな被害に見舞われ、県内有数の観光地であるこの温泉街では、複数の宿泊施設が当面の間、営業休止を余儀なくされる状況となっています。老舗旅館の萬国屋では、建物の瓦の一部が落下したり、水道管が破損して水漏れが発生したりする被害に見舞われたのです。
地震発生直後には停電も発生し、約140人いた宿泊客は安全確認のため一旦部屋の外へ退避。翌19日の早朝にかけて順次、帰宅または出発の途につきました。旅館側は、建物の損傷に加えて「余震の心配がある」として、お客様の安全を最優先するため、やむを得ず当面の営業を見合わせると判断しました。現在はサクランボ狩りのハイシーズンにあたるため、ツアー客などの受け入れ調整が急務となっており、山形県内の高級旅館である古窯(上山市)などが、宿泊客の受け入れを調整しているとのことです。萬国屋としては、できるだけ早く復旧作業を完了させ、7月までには営業を再開したいとの意向を示しています。
温海温泉地域全体でも、温泉を供給する配管に被害が出ていることが確認されました。あつみ観光協会によると、原因の特定と復旧作業は迅速に進められる見通しであるものの、他の宿泊施設でも同様に被害を受けているところが多いため、「どこの施設も2~3日は休業となりそうだ」という見解が示されています。また、地震直後に津波注意報が発令されたため、酒田市では市役所や津波避難ビルに指定されているホテルリッチ&ガーデン酒田に、500人から600人もの住民が避難しました。このホテルでは訓練で避難者を受け入れた経験はあるものの、「実際にこれほどの避難者を受け入れたのは初めてだ」と語られており、一時約200人近くが宴会場などで一夜を過ごし、19日朝までには全員が帰宅しました。幸い、ホテル建物や設備への影響はなかったため、通常営業に戻っています。
被災地を支える金融機関と企業の取り組み
地域経済を支える金融機関も、一刻も早い対応に乗り出しています。荘内銀行は、鶴岡市温海庁舎に入っていた温海支店が、地震でつり天井が落下する危険性から立ち入り禁止となったことを受け、急遽、移動店舗車「荘銀くらげGO(号)」による営業を19日から温海地区で開始しました。これは、支店閉鎖を余儀なくされた地域で住民の利便性を確保するための措置であり、緊急性の高い預金引き出しなどの業務に対応しています。山形銀行でも地震発生直後にすぐに対策本部を設置し、従業員の安否確認、そして19日からは取引先の被害状況の確認を急いでいる状況です。
長谷川吉茂頭取は、「東日本大震災など過去の経験が活かされ、スムーズな対応につながっている」と述べつつも、「余震の懸念もあるため、今後も厳重な注意が必要だ」と気を引き締めています。さらに、災害発生時に連携する体制を築いている七十七銀行など、他の金融機関からも支援の申し出があるなど、金融面からも被災地を支える動きが加速しています。また、地元の企業も迅速な対応を見せています。食品スーパーのマックスバリュ東北では、商品が散乱する被害を受けた鶴岡市のあつみ店を営業休止としましたが、店舗前で水や飲料などの販売を実施し、生活インフラの維持に努めています。「できるだけ早い営業再開を目指したいが、現状では見通しが立っていない」とのことですが、同じ市内の白山店は既に営業を再開しています。
一方で、被害が少なかった、あるいは迅速に対応できた企業もあります。コイル製造大手のウエノ(鶴岡市)の上野隆一社長は、自宅で大きな揺れを感じたものの、工場に被害はないと判断し、実際にも影響はありませんでした。また、電子機器製造のOKIサーキットテクノロジー(同)では、点検のため一時的に一部の生産ラインを停止させたり、沿岸部の従業員が出勤できない状況が発生したりしましたが、「日頃からの訓練のおかげで、状況確認が滞りなく進んだ」と企画部が語っており、危機管理意識の高さが功を奏した形です。
公的支援の本格化とSNSの反響
自治体や国の機関による被災地支援も、本格化しています。仙台市役所は、鶴岡市などの被害状況を把握し、必要な支援ニーズを調査するために、危機管理室など4名の職員を山形県庁へ派遣しました。また、東北運輸局は、鉄道や道路における旅客および貨物の輸送への影響について、詳細な情報収集を進めている状況です。このような大規模災害が発生すると、インフラの被害状況や、温泉地といった観光地の安否は、すぐに大きな関心事となります。SNS上でも、温海温泉の旅館の状況を心配する声や、「早く復旧して、また旅行に行きたい」という応援メッセージが多く投稿されており、被災地への温かい眼差しが集まっている様子が窺えます。
今回の地震は、山形県内の多くの地域に影響を及ぼしましたが、特に観光地である温海温泉の被害は、地域経済にとって大きな痛手となるでしょう。しかし、金融機関や企業、そして公的機関が一丸となって迅速に対応にあたっている姿勢は、非常に心強く感じられます。災害からの復旧は時間と労力がかかるものですが、私も一編集者として、この地域が持つ力強い復興への意志を信じています。被害を受けた皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い生活再建と、温海温泉の湯煙が再び立ち上ることを願っております。
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