2019年11月29日、長野労働局から最新の雇用統計が発表されました。10月の長野県内における有効求人倍率は、季節調整値で1.53倍を記録しています。これは前月と比較して0.03ポイントの減少となっており、残念ながら5カ月連続で指標が悪化する結果となりました。SNS上では「仕事探しが少しずつ厳しくなってきたのでは」といった不安の声が上がる一方で、依然として1.5倍を超える水準を維持している点に注目が集まっています。
そもそも有効求人倍率とは、仕事を求める求職者1人に対して、企業から何件の求人があるかを示す指標です。1.53倍という数字は、100人の求職者に対して153件の仕事が存在することを意味しており、労働局も県内の雇用情勢については「堅調に推移している」という判断を維持しました。しかし、数字の内訳を詳しく分析すると、景気の先行きに対する不透明感が色濃く反映されていることが見て取れるでしょう。
今回の調査で特に顕著だったのは、長野県の産業を支える製造業における求人の減少です。新規求人数は前年の同じ時期と比べて11%も落ち込んでおり、なかでも機械や電気関連の分野では22%減という大幅な下落を記録しました。世界的な経済情勢の波が、信州の工場や技術者たちの採用現場にも着実に押し寄せているようです。編集者としては、この製造業の停滞が他のサービス業などへ波及しないか、今後の動きを注視すべきだと感じています。
若年層の就職戦線に異変?大学生と高校生で分かれた明暗
一方、2020年3月に卒業を控える学生たちの就職内定率についても、興味深いデータが公表されました。2019年10月末時点での大学生の内定率は66.1%と、前年より0.1ポイント上昇しており、非常に安定した推移を見せています。これに対して高校生の内定率は81.2%に留まり、前年同期比で1.3ポイント低下しました。同じ新卒市場であっても、採用のタイミングや業種によって微細な温度差が生じていることが分かります。
人手不足が叫ばれて久しい昨今ですが、企業側が「誰でも良い」という姿勢から「慎重に選考する」というスタンスへ、わずかにシフトし始めている可能性も否定できません。月間の有効求職者数も前月から1%減少していることから、労働者側も今の職場に留まるか、より条件の良い場所をじっくり見極めるフェーズに入っているのでしょう。私たちは、数字の表面的な上下に一喜一憂せず、その裏にある産業構造の変化を読み解く必要があります。
長野県内の経済を支えるのは、間違いなく現場で働く一人ひとりの活力です。製造業の求人減というアラートは出ているものの、全体としてはまだ「仕事を選べる」状況にあると言えます。2019年の締めくくりに向けて、各企業がどのような採用戦略を打ち出すのか、そして冬のボーナス商戦を経て消費マインドがどう変化するのかが、2020年の雇用を占う大きな鍵となるはずです。
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