オーディオファンに愛され続けてきた老舗メーカー、オンキヨーが大きな転換点を迎えています。2019年11月13日、同社は国内で働く従業員を対象に、約100名という規模の希望退職者を募ることを明らかにしました。かつては高音質なスピーカーやアンプで市場を席巻した名門ですが、現在はかつてない厳しい荒波に揉まれています。
今回の募集対象となるのは、40歳以上60歳未満の正社員の方々です。特に家庭用オーディオ事業の拠点集約に伴い、転勤が必要となる社員の中から募る形をとっています。募集期間は2019年12月12日から2019年12月20日までのわずか9日間となっており、現場には緊張感が走っていることでしょう。
この決断の裏には、期待されていた米国サウンド・ユナイテッド社への家庭用オーディオ事業売却が、10月に入って白紙撤回されたという苦渋の背景があります。売却によって財務体質を改善する計画が霧散した今、同社は自力で生き残るための「構造改革」を避けては通れない状況に追い込まれたのです。
「構造改革」とは、単なるコスト削減ではなく、企業の仕組みそのものを見直し、収益性を高めるための抜本的な手術を指します。SNSでは「憧れのブランドだったのに寂しい」「時代の流れを感じる」といった惜しむ声が溢れる一方で、リストラという厳しい現実に対し、今後の製品サポートを不安視するユーザーの投稿も散見されます。
一編集者の視点としては、長年日本の音響文化を支えてきたブランドだからこそ、この痛みを伴う改革が、新たなイノベーションを生むきっかけになることを切に願っています。物理的な拠点集約により、分散していた技術者の知見が一つに重なれば、再び世界を驚かせるような「音」を届けてくれるはずです。
現在はスマホでの音楽視聴が主流となり、専用機器としてのオーディオ市場は縮小傾向にあります。しかし、本物の音を求める需要が消えることはありません。2019年12月の募集を経て、オンキヨーがどのようなスリム化を遂げ、次の一手を打つのか。日本のモノづくりの意地を見せてほしいと強く感じています。
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