昭和に生を受け、未婚のまま平成を駆け抜け、ついに令和の時代を迎えた「平成ジャンプ」と呼ばれる方々をご存知でしょうか。かつて一世を風靡したアイドルグループの名にちなんだこの言葉が、今、30代の未婚男女の間で切実なキーワードとして注目を集めています。
マッチングサービスを展開するエウレカの「Pairsエンゲージ パーソナル婚活研究所」が2019年09月に実施した最新調査により、驚くべき実態が浮き彫りとなりました。なんと、結婚願望がありながらも、実際に婚活へ一歩を踏み出せていない人が約8割にものぼるというのです。
SNS上でも「耳が痛い」「自分のことかと思った」といった共感の声が溢れる一方で、なぜこれほどまでに足が重くなってしまうのでしょうか。その背景には、現代社会特有のコミュニケーションの難しさと、かつての「結婚のレール」が消滅してしまった戸惑いが見え隠れしています。
「自然な出会い」という幻想と、現代の婚活が抱えるジレンマ
調査によれば、婚活に取り組めない理由の第1位は「なんとなく面倒」というものでした。しかし、その心理を深掘りすると、単なる怠慢ではなく「何をどう始めれば正解なのかが分からない」という先行きの見えない不安が、行動を阻害していることが分かります。
かつてはお見合いや職場での縁結びといった、半ば強制的な「結婚へのシステム」が存在していました。しかし現在は、職場でのアプローチがセクハラと隣り合わせになるなど、環境が激変しています。その結果、職場結婚という王道ルートが、以前より細くなっているのです。
また、多くの人が「気づいたら好きになって結婚していた」という、ドラマのような自然な出会いを理想としています。しかし、加齢とともに出会いの母数は確実に減少します。実際に、最後の交際から5年以上ブランクがある人が4割を超えるというデータも示されました。
私は、この「自然さ」へのこだわりが、皮肉にも結婚を遠ざける最大の壁になっていると感じます。デジタル化が進んだからこそ、皮肉にも「努力して相手を探す」という泥臭いプロセスに、強い心理的ハードルを感じてしまうのではないでしょうか。
婚活ストレスを乗り越えるために必要なもの
実際に勇気を出して婚活を始めたとしても、そこには別の困難が待ち受けています。調査では、婚活中の女性の約90%、男性の約67%がストレスを抱えていると回答しました。婚活とは、いわば自分自身を市場で評価される過酷なプロセスでもあるからです。
「お祈りメール」が届く就職活動のように、断られるたびに人格を否定されたような気分になり、心が折れてしまう人も少なくありません。正解のない迷路を一人で歩き続ける孤独感が、36.7%もの人を「婚活断念」へと追い込んでいるのが2019年11月18日現在の現状です。
これからの婚活市場には、単なる「出会いの場の提供」だけでなく、一歩を踏み出せない層に寄り添い、迷いを払拭するようなコンサルティング的なソリューションが求められています。手厚い伴走者がいれば、多くの「平成ジャンプ」組が幸せを掴めるはずです。
結婚は人生のゴールではありませんが、望む人が報われない現状はあまりに寂しいものです。もし、あなたが立ち止まっているのなら、それはあなたのせいではなく、単に「今の時代の歩き方」を知らないだけなのかもしれません。
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