教育資金準備の「王道」として多くの親御さんから絶大な支持を集めてきたソニー生命の学資保険が、大きな転換期を迎えようとしています。ソニー生命保険は、2020年1月1日から学資保険の返戻率を引き下げることを決定しました。返戻率とは、支払った保険料の総額に対して、将来受け取れる満期金や祝金の合計額がどれくらいの割合になるかを示す指標のことです。この数値が高いほど「お得」に積み立てができるため、これまでは貯蓄性を重視する層にとって非常に魅力的な選択肢となっていました。
今回の改定により、例えば30歳の男性が200万円の受取総額を設定し、お子様が10歳になるまでに払い込みを終えるプランでは、返戻率が現在の107.2%から105.5%へと低下します。具体的な金額で見ると、毎月の保険料は15,540円から15,788円へと248円の増額となり、家計への負担がわずかながら増える形となりました。2017年11月以来、約2年ぶりとなるこの料率改定は、日本国内で長引く超低金利政策が生命保険会社の資産運用に重くのしかかっている現状を如実に物語っています。
シェア16%を誇る人気商品の苦境と業界全体の冷え込み
ソニー生命は学資保険市場において、保有件数ベースで約16%という高いシェアを誇っています。他社を圧倒する返戻率の高さが武器でしたが、運用環境の悪化は深刻です。実は2019年11月からは代理店での販売を休止し、自社のライフプランナーによる直接販売のみに販路を絞るという異例の措置も取られていました。ネット上では「ついにソニーも力尽きたか」「加入を検討していたから急がなきゃ」といった焦りの声や、低金利が続く現状を嘆くSNSの投稿が相次いでおり、パパ・ママ層の関心の高さが伺えます。
影響は学資保険だけにとどまりません。生命保険業界全体を見渡すと、2020年1月には一時払い終身保険の「標準利率」が、これまでの0.25%から史上初の「ゼロ%」にまで引き下げられる見込みです。標準利率とは、保険会社が将来の支払いに備えて積み立てるお金の利回りの目安となるもので、これが下がれば保険料は上がります。各社は契約者に対して約束する運用利回りである「予定利率」の引き下げや、そもそも貯蓄性商品の販売自体を休止するなど、防衛策の準備を急いでいる状況です。
編集者としての意見ですが、今回の改定は単なる値上げではなく、自分たちで資産を守る難しさが一段と増したサインだと言えるでしょう。既存の契約者への影響はないため、現在加入中の方は安心して継続して問題ありませんが、これから検討される方は2019年12月中に決断するか、あるいは別の運用手段を比較検討する必要に迫られています。教育資金という長期の備えにおいて、確実性を取るか、あるいはリスクを取ってでも利回りを追うか、より慎重なマネープランニングが求められる時代が到来しているのではないでしょうか。
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