私たちの暮らしに直結する医療制度において、大きな転換点が訪れようとしています。厚生労働省は、2019年11月21日に開催された社会保障審議会の医療保険部会にて、75歳以上が加入する「後期高齢者医療制度」の保険料上限を引き上げる案を提示し、正式に了承されました。
今回の改定により、保険料の年間上限額は現在の62万円から64万円へと、2万円引き上げられる見通しです。この制度改正は2020年04月01日から適用される予定となっており、現役世代の負担軽減と制度の持続可能性を天秤にかけた、苦渋の決断といえるのではないでしょうか。
対象となるのは、年収が約900万円を超えるような、いわゆる「高所得層」に該当する高齢者の方々です。一方で、中間所得層については急激な負担増を避けるための配慮がなされており、社会全体のバランスを考慮した設計になっています。
「賦課限度額」とは?高齢化社会を支えるための仕組みを解説
ここで少し専門的な解説を加えますと、今回引き上げが決まったのは「賦課限度額(ふかげんどがく)」と呼ばれるものです。これは、所得がいくら高くても保険料がそれ以上増えないという「天井」の数値を指しており、この枠を広げることで、経済力のある方に相応の負担を求めています。
SNS上では「老後の蓄えがある人への増税だ」と厳しい意見が散見される一方で、「世代間の公平性を保つためには避けられない道だ」という現実的な声も多く、世代を問わず高い関心を集めていることが伺えます。
私は、こうした制度変更は避けられない段階に来ていると感じます。少子高齢化が加速する2019年現在において、特定の世代に負担を押し付けるのではなく、能力に応じた負担を分かち合う姿勢は、医療制度を次世代へ引き継ぐために必要な「痛みを伴う改革」なのです。
今後の展開としては、2020年度の実施に向けて細かな調整が行われる予定ですが、私たちは単に「保険料が上がった」と嘆くのではなく、集められた資金がどのように効率よく運用されるべきか、注視していく必要があるでしょう。
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