医療の世界に、今までにない大きな変革の波が訪れようとしています。厚生労働省は2020年01月10日、がんや難病の根本的な原因を突き止め、新しい治療法を生み出すための国家プロジェクトを発表しました。国内の研究機関が手を取り合い、10万人規模という膨大な患者の遺伝情報を網羅的に調べる「全ゲノム解析」に本格着手するとのことです。この未知なる挑戦に、早くも多くの注目が集まっています。
そもそもゲノムとは、私たちが生きていくために必要な設計図のようなものです。これまでの研究でも遺伝子のデータは集められていましたが、実は働きが分かっている一部分に限定されていました。しかし、画期的な診断法や特効薬を開発するためには、謎に包まれた領域も含めた全体の設計図を読み解く必要があります。国が本格的に腰を据えて、この巨大なパズルに挑む決断を下した意義は極めて大きいと言えるでしょう。
この壮大な計画は、すでに研究機関に大切に保管されている貴重な検体を活用して進められます。内訳としては、がん患者のものが約6万4千人分、難病に苦しむ方のものが約2万8千人分です。さらに、病気の細胞と健康な血液を比較したり、親から受け継いだ遺伝の特徴を調べるケースもあるため、実際に分析するデータの総数は17万件近くに達します。未来の患者を救うためのバトンが、今まさに繋がれようとしています。
なかでも、有効な治療法が見つかっていない難治性のがんや症例の少ない希少がん、原因が複雑に入り組む難病の患者など、約2万2千人分のデータが最優先で調べられる予定です。一刻も早い救済が求められる領域にスポットライトが当たるのは、本当に素晴らしいことだと感じます。インターネット上のSNSでも「医療の進歩に期待したい」「苦しむ人が減るきっかけになってほしい」といった応援の声が続々と寄せられました。
個人の体質に合わせた最適な医療を提供する「個別化医療」の実現は、長年の夢でした。この取り組みが成功すれば、オーダーメイドの治療が当たり前になる未来がグッと近づくはずです。国は今後、さらに規模を拡大した計画も視野に入れているとのことで、具体的な中身の議論を重ねていきます。不治の病という言葉が過去のものになるその日まで、私たちはこの革新的な歩みを温かく見守り、応援し続けたいものです。
コメント