2020年01月06日、ライフスタイル大手の花王を率いる沢田道隆社長が、新年の幕開けとともに熱い展望を語りました。東京五輪・パラリンピックの開催を控え、世間の期待が高まる一方で、消費者の関心は「モノ」から「コト(体験)」へと移り変わっています。五輪閉幕後に懸念される反動減をどう乗り越えるのか、同社のトップが描く次なる一手に注目が集まっています。
直近の課題として挙げられたのが、2019年10月の消費税率引き上げに伴う影響です。事前の駆け込み需要は想定の半分にとどまったものの、増税後の買い控えは予想以上の冷え込みを見せました。特に年末の大掃除やクリスマスという、日用品業界にとって極めて重要な稼ぎ時に消費が落ち込んだダメージは、決して小さくなかったようです。
小売店の現場では、在庫の山を抱えながらも価格競争を避けるため、苦肉の策を強いられるケースも見られました。さらに、軽減税率やキャッシュレス決済によるポイント還元といった複雑な制度が重なり、顧客の購買行動を予測することが難しくなっています。この変化の激しい時代を生き抜くためには、これまでの常識に囚われない柔軟な視点が必要不可欠でしょう。
ネット上では「増税後の買い控えは本当に実感する」「日用品の値動きには敏感になる」といった、生活者のリアルな声が多数飛び交っています。さらに、インバウンド(訪日外国人)需要の減退も影を落としています。中国の景気減速や日韓関係の冷え込みが、これまで売上を支えていた化粧品などの分野に逆風をもたらしているのが現状です。
新技術「ファインファイバー」とアタックZEROが魅せる革新
こうした逆境を跳ね返すべく、花王は革新的な商品戦略を打ち出しています。その筆頭が、2019年末に産声を上げた「ファインファイバー」技術です。これは超極細の繊維を肌に直接吹き付け、まるで本物の皮膚のような極薄の膜を形成する最先端テクノロジーを指します。スキンケアからメイク、ボディケアまで、無限の可能性を秘めた期待の星です。
専門的な用語ですが、ファインファイバーとは積層型極薄膜のことで、肌の水分を保ちながら自然にカバーする夢の技術といえます。じっくりと時間をかけて、この新しい価値を世の中に浸透させていく構えです。また、2019年04月に登場した「アタックZERO」も、リピート率において過去最高を記録するなど、確かな手応えを掴んでいます。
2020年の花王が掲げるテーマは、ずばり「いぶし銀」な商品の充実です。爆発的な大ヒットを狙うのではなく、一度使ったら手放せなくなるような、中毒性の高いコアな商品を実直に届けていく方針を掲げています。流行に左右されない、暮らしに寄り添う盤石なブランドを築き上げようとする姿勢には、老舗企業ならではの強い覚悟が滲み出ています。
東京五輪をチャンスに変え、世界の「KAO」へ進化する
間近に迫った東京五輪は、世界に向けて日本の技術をアピールする絶好の舞台となります。沢田社長は、都心だけでなく首都圏の郊外に宿泊する多くの外国人観光客に着目しています。こうした人々に対して、同社が誇る洗剤や化粧品を幅広くプロモーションし、新たなファンを獲得する絶好のお試し機会にしたいと息を巻いています。
さらに、2020年12月期に掲げている「売上高営業利益率15%」という高い目標の達成に向け、構造改革も加速させます。これは、売上高に対してどれだけ効率よく本業の利益を出せたかを示す指標です。付加価値の低い製品の無理な値上げはせず、「高くても欲しい」と思わせる高級ラインの拡充に注力していく構えです。
苦戦が続いている紙おむつなどのヒューマンヘルスケア部門や、利益率が1桁台にとどまる欧米市場の立て直しは急務でしょう。中国での流通経路を整備し、欧米での利益率を2桁へと引き上げる明確なロードマップが示されています。課題に対して正面から向き合い、具体的な数字を掲げて突き進むリーダーシップには深い感銘を覚えます。
社長就任から9年目を迎える沢田氏が、何より重きを置いているのが「ESG経営」への本格的なシフトです。環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったこの言葉は、現代の企業が長期的に成長するために不可欠な非財務の評価基準を意味しています。
SNS上でも「これからの時代、環境や社会に配慮していない企業は生き残れない」「花王のESGに対する姿勢を支持したい」といった、共感と応援のコメントが数多く寄せられています。目先の売上や利益という数字だけを追い求める時代は終わりを告げました。地球環境を守り、社会に貢献する企業こそが、真の価値を認められるはずです。
花王が紡ぎ出す「いぶし銀」の輝きと、持続可能な未来を見据えた経営の舵取りは、日本のビジネス界における素晴らしい模範となるに違いありません。世界中の人々を魅了する美しい洗練されたライフスタイルを、これからも提供し続けてくれることを大いに期待しています。
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