日本のスポーツ界に、大変喜ばしいニュースが飛び込んできました。スイスのローザンヌで2020年1月10日に開催された国際オリンピック委員会(IOC)の総会にて、日本オリンピック委員会(JOC)の現会長である山下泰裕氏が、新たなIOC委員として正式に選出されたのです。1984年8月11日のロサンゼルス五輪における柔道無差別級で金メダルを獲得し、日本中を沸かせたレジェンドが、今度は世界のスポーツ外交の舞台でその手腕を発揮することになりました。
今回の決定は、日本のスポーツ界にとっても歴史的な転換点と言えるでしょう。柔道界からのIOC委員就任は、日本人として初めて同委員を務め、大日本体育協会を創設したあの嘉納治五郎氏以来、実に約1世紀ぶりの快挙となります。総会での採決では賛成74、反対1という圧倒的な支持を集めて信任されており、山下氏に対する国際舞台からの期待の高さがうかがえます。これを受けて本人は、責任の重さを噛み締めながら、強い覚悟を持って役目を果たすと熱い抱負を語りました。
インターネット上やSNSでも、このニュースは大きな話題を呼んでいます。「山下さんなら誠実な外交をしてくれそう」「柔道の精神で世界をリードしてほしい」といった、実直な人柄を信頼する応援の声が多数寄せられました。一方で、東京五輪を目前に控えた大事な時期での交代劇ということもあり、「開催国としての発言力をどれだけ維持できるか注目したい」といった、今後の動向を冷静に見守るスポーツファンの意見も散見され、関心の高さが際立っています。
ここで「IOC(国際オリンピック委員会)」という組織について少し解説しましょう。これは世界各国のオリンピック活動を統括する最高機関であり、その委員はオリンピックの開催地選定や実施競技の決定といった、スポーツ界の未来を左右する極めて強力な投票権(決定権)を持っています。いわばスポーツ界の国連議員のような存在です。今回の総会では山下氏のほか、国際サッカー連盟のインファンティノ会長らも選ばれ、委員の総数は101名となりました。
前会長である竹田恒和氏が、東京五輪の招致を巡る疑惑によって2019年3月に任期途中で退任して以来、日本は一時的にIOC内での発言力低下が懸念されていました。しかし今回、山下氏が委員となったことで、現職の国際体操連盟会長である渡辺守成氏と合わせて、日本人の現役委員は2名体制へと復活します。2020年7月24日の東京五輪開幕を前に、国際舞台との連携を強める強固なパイプが再構築された形です。
筆者は今回の就任劇について、まさに日本スポーツ界の信頼回復に向けた第一歩であると考えております。クリーンで実直なイメージを持つ山下氏だからこそ、前任者の疑惑によって揺らいだ日本の立場を立て直し、世界へクリーンさをアピールできるはずです。迫り来る東京五輪の成功はもちろんのこと、その先の未来へ向けて、日本の柔道精神が世界のオリンピック運動に新たな風を吹き込んでくれることを切に願ってやみません。
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