AIが伝統芸能を救う?津軽三味線を自動で楽譜にする最新技術が話題に!

日本の伝統音楽である津軽三味線の世界に、今まさに最先端のテクノロジーが新しい風を吹き込んでいます。これまでその卓越した技術の多くは、師匠から弟子への「口伝(くでん)」という形だけで受け継がれてきました。しかし楽譜が存在しないために、時代を経て独特の節回しが変わってしまったり、演奏者の他界とともに名曲そのものが完全に途絶えてしまったりするという深刻な危機に直面していたのです。

こうした伝統芸能の存続危機を解決すべく、2020年1月22日、青森県八戸市にある八戸工業大学で情報工学を専門とする小坂谷寿一教授が立ち上がりました。小坂谷教授は「正確な音を次の世代へと遺したい」という熱い想いを胸に、コンピューターを用いて三味線の音を自動で谱面化する驚きの研究を進めています。この取り組みはSNS上でも「伝統と科学の融合が素晴らしすぎる」「これで名曲が未来に残る」と大きな反響を呼んでいるところです。

具体的な仕組みとしては、まず弦の振動をそのまま電気信号に変換できる特別な「エレキ三味線」を使用して演奏を行います。その演奏データをコンピューターが細かく分析し、世界共通の音楽の教科書とも言える「西洋譜(五線譜)」へと仕立て上げていく仕組みです。従来の伝統的な三味線用譜面では書き表すことが不可能だった、弦を弾く強さや余韻といった非常に細かい演奏方法まで、このシステムなら見事に盛り込めます。

しかし、研究の道のりは決して平坦なものではありませんでした。三味線は1つの弦を弾いた際、他の弦が共鳴して生まれるノイズが発生するため、純粋な主旋律のメロディーだけを正確に抽出することが技術的に極めて困難だったのです。そこで救世主となったのが、昨今注目を集める人工知能(AI)のディープラーニング技術でした。AIに奏者ごとの独特な演奏の癖を熱心に学習させることで、ノイズに惑わされず正確な譜面を作ることに成功したのです。

この画期的なAI技術によって、これまでに東北6県に伝わる貴重な民謡約60曲の譜面化が完了しています。さらに、テンポが非常に速く複雑で、即興的なメロディーが特徴である難関曲「津軽じょんがら節」の譜面作成にも見事成功を収めました。このように人間の耳だけでは捉えきれなかった伝統の技をデジタル化していくアプローチは、文化財保護の観点からも極めて価値が高く、私自身も非常に感銘を受けています。

小坂谷教授は「正確な楽譜が完成することで、ピアノやバイオリンといった西洋楽器での演奏やセッションも容易になるでしょう。また、小中学校における邦楽教育の現場でも格段に扱いやすくなります」と今後の展望を力強く語っていました。実際に2019年11月には、このシステムで作成した楽譜を用いたピアノ演奏が大学の授業内で実演披露され、音楽の新しい可能性を証明しています。

今回のプロジェクトに全面協力している46歳の三味線奏者・松田隆行さんも「稽古の現場では楽譜が欲しいという要望が本当に多かった」と現場の本音を吐露しました。楽譜が普及すれば、若者の津軽三味線へのハードルが下がり、深刻な後継者不足の解消に繋がることが期待できるでしょう。伝統の美しさをAIが守り、民謡界全体の振興を後押しするこの研究は、日本文化の未来を明るく照らす一筋の光になりそうです。

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