検索エンジンの枠を超え、私たちの生活に深く根ざした存在となったグーグル。その舵取りを担うスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)が、2019年09月28日までにメディアのインタビューに応じ、企業の巨大化に伴う葛藤や、テクノロジーがもたらす希望について熱く語りました。同氏は対話の中で「スケール(規模)」という言葉を何度も口にしており、組織が大きくなったからこそ実現できるイノベーションの価値を強調しています。
ネット上のSNSでは、このインタビューに対して「独占への懸念は拭えないが、グーグル規模の投資がなければAIの進化は止まってしまう」といった現実的な視点や、「便利さと引き換えにプライバシーをどこまで差し出すべきか」という慎重な意見が飛び交っています。巨大IT企業に対する風当たりが世界的に強まる中、トップがどのようなビジョンを描いているのかは、今後のデジタル社会を占う重要な指標となるでしょう。
「強すぎる」批判への回答とプライバシー保護のあり方
現在、世界各国の政府は巨大IT企業に対する規制を強化する動きを見せています。これに対しピチャイ氏は、欧州で施行された「GDPR(一般データ保護規則)」を例に挙げ、明確なルールが存在することは企業にとっても指針になると前向きな姿勢を示しました。GDPRとは、個人のデータ保護を強化し、その扱いを厳格に定めた法的な枠組みのことであり、これが世界的な標準(ひな型)になることを彼は期待しているようです。
しかし一方で、行き過ぎた規制が新しい技術の芽を摘んでしまうことへの危惧も隠しません。同氏は、病気の早期発見やサイバー攻撃への防御といった人類規模の課題を解決するためには、膨大な研究開発費を投じることができる「規模の経済」が不可欠だと主張します。編集者としての私の視点では、この「規模」という武器をいかにして社会の公共利益と両立させるかが、グーグルの真の価値を証明する鍵になると考えます。
米中摩擦の荒波とAIがもたらす汎用的な未来への期待
米中貿易摩擦の影響により、中国の華為技術(ファーウェイ)が独自OSの開発に乗り出すなど、業界の勢力図にも変化の兆しが見えています。ピチャイ氏はファーウェイを強力なライバルとして認めつつも、自社の「アンドロイド」の機能を高めることで、スマートフォン市場におけるイノベーションを牽引し続ける決意を語りました。市場競争が激化する中でも、自分たちの技術力に対する自信は揺らいでいない様子が伺えます。
また、次世代の核心技術であるAIについては、将来的に「汎用AI(特定の作業だけでなく、人間のように多種多様な課題をこなせる知能)」へと進化する可能性を示唆しました。現時点では検索の精度向上に苦労する面もあるようですが、長期的にはAIが人々の健康や幸福に寄与する存在になると確信しています。ピチャイ氏の語る「技術への楽観主義」は、単なる理想論ではなく、責任を持って未来を築くというリーダーの覚悟の表れと言えるでしょう。
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