検索エンジンや地図アプリなど、私たちの生活に欠かせないインフラを提供し続けるGoogle。そのトップを務めるスンダー・ピチャイCEOが、2019年09月28日までに日本経済新聞などの取材に応じ、現在世界中で議論が巻き起こっている個人情報保護や巨大IT企業への規制について、その胸中を明かしました。
ネット上では「便利さと引き換えにデータが吸い取られるのは怖い」という声がある一方で、「Googleなしの生活は考えられない」という依存度の高さも指摘されています。こうした複雑な世論が渦巻く中、ピチャイ氏は各国政府が進めるデータ保護ルールの整備に対し、意外にも「賛成」の意向を明確に示しました。
彼がポジティブな姿勢を見せる背景には、利用者が「自分の何が守られるのか」を理解し、企業側も「どのルールに従うべきか」が透明化されるメリットがあるからです。特に、2018年05月に欧州連合が施行した「GDPR(一般データ保護規則)」を一つの優れた雛形として高く評価している点が注目されます。
「パッチワーク規制」への懸念と、規模が生み出す革新の価値
GDPRとは、個人データの収集や処理を厳格に制限する世界最高水準の規則ですが、ピチャイ氏が恐れているのは、国や地域ごとにバラバラな「パッチワーク状の規制」が乱立することです。グローバルに展開する企業にとって、統一された基準こそが、健全なサービス運営を継続するための生命線と言えるでしょう。
一方で、司法当局による「市場独占」への追及に対しては、一歩も引かない構えを見せています。ピチャイ氏は、AI(人工知能)を用いた病気の早期発見や、高度化するサイバー攻撃の防御には、膨大な研究資金と人材を投入できる「一定の規模」が不可欠であると、巨大化の正当性を力説しました。
SNSでは「独占は競争を阻害する」という批判が目立ちますが、ピチャイ氏はこれに対し、クラウド分野で先行するアマゾンなどの競合を引き合いに出し、決して全方位で無敵ではないことを強調しています。技術革新の芽を摘まずに、いかにして適正な競争環境を保つか、そのバランスが今まさに問われています。
私自身の見解としては、Googleのような巨人がルール作りを先導することには、一定の安心感と同時に、そのルールが「自社に有利な土俵」にならないかという警戒も必要だと感じます。しかし、彼らが持つ圧倒的な技術力が人類の課題解決に貢献している事実は、否定できない大きな価値ではないでしょうか。
最後に、ピチャイ氏は「技術こそが未来の繁栄を生む」という楽天的な信念を語りました。規制という名の監視を受け入れつつも、イノベーションという名の翼を折らせない。2019年09月28日、シリコンバレーから発信されたこのメッセージは、これからのデジタル経済の行方を占う重要な指針となるはずです。
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