【ATM利便性向上とコスト削減】三菱UFJ銀行・三井住友銀行、メガバンク初の相互開放で顧客はどう変わる?

日本の金融界を牽引する二大メガバンク、三菱UFJ銀行と三井住友銀行が、いよいよ2019年9月22日より店舗外に設置されている現金自動預け払い機(ATM)の相互開放を開始すると発表しました。これは、両行の預金者にとって、日中の現金引き出しがより便利になる画期的な取り組みでしょう。具体的には、平日の日中であれば、今までのように他行のATMを利用する際にかかっていた利用手数料が無料になるのです。従来、他行のATMで現金を引き出す際には、日中でも108円程度の手数料が必要でしたから、これは非常に大きな改善点であると言えます。

この相互開放の対象となるのは、駅前や商業施設などに設置されている約2800カ所ものATM拠点です。ただし、両行の支店内に設けられているATMについては対象外となる見通しですので、利用時には注意が必要でしょう。当初は2019年前半にもサービスを開始する計画でしたが、公正取引委員会との調整を経て、9月の開始へと時期が変更されました。メガバンク同士がATMを相互に開放するのは初めての試みであり、利便性の向上という点で利用者からの期待も高まっています。

一方で、この相互開放は、利便性の向上だけでなく、銀行側の「経費削減」という喫緊の課題への対応策でもあります。相互開放に伴い、両行は合計で600から700程度のATM拠点を削減する計画です。インターネットを経由した決済や振り込みが増加する現代において、維持管理に高いコストがかかるATMを整理・縮小する必要性が高まっていました。このATM削減により、両行は年間で数十億円規模の経費削減効果を見込んでいます。長引く低金利環境の下、銀行業界の収益環境は厳しさを増しており、経費の見直しは急務となっているからです。

このような銀行の動きに対して、SNS上では「手数料が無料になるのは嬉しい」「利便性が高まるのは大歓迎だ」といった肯定的な意見が多数見受けられます。しかし、「ATMの台数が減るのは困る」「地方や郊外での利便性が低下しないか心配だ」という、今後の利便性低下を懸念する声も散見されました。確かに、現金決済のニーズは減少傾向にありますが、依然として一定の需要は存在します。そのため、削減する拠点の選定や、代替手段の提供については、きめ細やかな配慮が求められるでしょう。

キャッシュレス決済や、ネット経由の送金サービスを提供するフィンテック企業(金融とITを融合させた革新的なサービスを提供する企業)の台頭により、現金の利用頻度は今後も減っていく見込みです。こうした時代の変化に伴い、全国に張り巡らせてきた従来型のATM網や店舗のあり方は、抜本的な見直しを迫られています。例えば、三菱UFJ銀行は2017年度末の515店舗から、2023年度末までにその35パーセントにあたる約180店舗を削減する方針をすでに示しています。銀行が収益性を高め、サービスを維持していくためには、こうした大胆な「選択と集中」が不可欠であると、私は考えます。利用者の利便性を確保しつつ、どのように持続可能なサービスを提供していくのか、メガバンクの今後の戦略に注目が集まることでしょう。

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