中東緊迫に備える!日本の石油備蓄がアジアを救う、2020年中の融通体制構築へ

中東情勢の緊迫化が進む中、私たちのエネルギーの未来を揺るがす重大な決定が下されました。経済産業省は2020年中に、東南アジア諸国連合(ASEAN)の複数国と石油の国家備蓄を互いに融通し合うための覚書を締結する方針を固めました。この画期的な試みに対し、SNS上では「有事の安心感につながる」「日本のリーダーシップに期待したい」といったポジティブな声が多く寄せられています。万が一の危機に備え、アジア全体でエネルギーのセーフティネットを編み上げる動きが本格化しています。

石油の需要が右肩上がりに伸びているアジア諸国ですが、その多くは原油の調達を中東にに依存しています。しかしながら、多くの国々で十分な備蓄体制が整っていないのが現状です。そこで日本が中心となり、アジアの国々と手を取り合うことで、有事の際にも市場がパニックに陥らない仕組みを目指しています。経済産業省はこの方針を、2020年3月までに策定する「新・国際資源戦略」に明記する予定です。すでにベトナムやフィリピンなどとの交渉開始に向けて、水面下での接触をスタートさせている模様です。

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日本の強みである圧倒的な石油備蓄量

国際エネルギー機関(IEA)は加盟国に対し、石油の「純輸入量の90日分」を備蓄するよう義務付けています。このIEAとは、石油をはじめとするエネルギー供給の安定を目的に設立された国際組織のことです。日本はこの基準を大きく上回る、112日分の国家備蓄を誇っています。さらに、民間の備蓄が79日分、産油国との共同備蓄が3日分あり、これらを合わせると約194日分に達するのです。この世界トップクラスの圧倒的な備蓄力こそが、今回のアジア外交を支える大きな武器となっています。

一方で、経済成長著しい東南アジアの国々は、IEAに加盟していないケースが大半を占めています。そのため、多くの国が目標とされる90日分の備蓄を確保できていない実態があるようです。今回の覚書が交わされれば、アジアの国々で原油の調達が困難になった際に、国内供給に支障が出ない範囲で日本の余剰分を融通することになります。近年、国内の石油需要は人口減少に伴って減少傾向にあります。需要が減れば必然的に備蓄の余裕が生まれるため、それを有効活用できる点も大きなメリットでしょう。

日本の弱点を補う「最終製品」の融通

この仕組みは、決してアジア各国を助けるためだけのものではありません。実は、日本側にも非常に大きなメリットが存在します。日本が恐れているのは、巨大地震などの自然災害によって国内の製油所が稼働停止に追い込まれるシナリオです。日本の国家備蓄は、精製前の「原油」が約4600万キロリットルと大半を占めており、すぐに使えるガソリンや灯油といった「最終製品」はわずか140万キロリットルしかありません。製油所が止まれば、原油があっても燃料不足に陥ってしまいます。

そこで、国内の製油所が機能しなくなった緊急時には、アジア各国の製油所で日本の原油をガソリン等に精製してもらい、それを日本に送り返してもらう仕組みを想定しています。IEA加盟国が非加盟国と備蓄を融通し合う枠組みは、世界的に見ても非常に珍しい挑戦です。現在、日本や中国を含むアジア太平洋地域は、輸入原油の6割以上を中東から調達しています。米国とイランの対立でホルムズ海峡が封鎖されれば、アジア全域が深刻な打撃を受けかねないため、今から備える必要があります。

中国を意識したエネルギー主導権争い

このエネルギー連携の背景には、アジアにおける主導権争いというもう一つの側面が見え隠れします。現在、中国はアジア圏での資源外交において着実にその存在感を高めています。しかし、中国は自国の膨大な需要を満たすための備蓄確保に手いっぱいで、周辺諸国のサポートにまで手が回っていないのが実情です。すでに強固な備蓄システムを構築している日本がここで手を差し伸べることは、アジアの石油管理においてリーダーシップを握るための絶好の好機となるに違いありません。

単に石油を融通し合うだけでなく、アジア各国が今後、製油所や備蓄基地を新設・整備していく段階において、日本企業が参入しやすくなるビジネス環境を整える狙いも含まれています。私は、今回の政策を大いに支持します。エネルギーの安全保障は、一国だけで解決できる時代ではありません。日本の持つ強みを他国に分け与えつつ、自国の弱点を補い、さらにはアジアでの外交的優位性を確保するという戦略は、一石三鳥の見事な一手と言えるのではないでしょうか。

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