2019年11月03日、安倍晋三首相は、東南アジア諸国連合(ASEAN)に関連する重要な首脳会議に臨むため、熱気あふれるタイのバンコクへ降り立ちました。政府専用機から昭恵夫人と共に姿を現したその表情からは、緊迫するアジアの情勢を背負う、強い覚悟が感じられます。今回の訪問では、海洋進出を強める中国を念頭に置いた、南シナ海問題の行方が最大の焦点となるでしょう。
出発を前に羽田空港で記者団に応じた際、首相は「すべての当事者が力ではなく国際法に基づいて紛争を平和的に解決することの重要性を強く訴えたい」と力説しました。SNS上では、この毅然とした態度に対し「平和的な解決を模索する姿勢を支持する」という期待の声がある一方で、実際の外交的な実効性を注視する厳しい意見も飛び交い、国民の関心の高さがうかがえます。
航行の自由を守る!「国際法」という絶対のルール
日本が最も重視しているのは、国連海洋法条約に基づく「航行の自由」です。国連海洋法条約とは、海の利用や資源に関する世界のルールを定めた、いわば「海の憲法」のような存在を指します。特定の国が力によって現状を変えるような動きに対し、日本はあくまでルールを尊重する立場を貫く考えです。この揺るぎない姿勢は、アジア全体の安定に不可欠なものと言えるでしょう。
私は、こうした多国間会議の場において、日本が積極的な調整役を果たすことには大きな価値があると考えています。大国同士が利害で衝突する中で、国際的な規範の遵守を訴え続けることは、一見遠回りに見えても、最終的に日本の国益と安全を担保する最善の道だからです。安倍首相が今回、ASEAN各国に対してどのような連携を呼びかけるのか、その手腕に大きな期待がかかります。
RCEP交渉の行方と日中関係の新たなステージ
さらに注目すべきは、巨大な経済圏を目指すRCEP(地域包括的経済連携)の交渉です。これは日本、中国、インドなど16カ国が参加する自由貿易の枠組みですが、現在は関税削減に慎重なインドとの調整が難航しています。安倍首相は「交渉は大詰めだが、課題は残っている」と述べ、日本がリードして自由で公正なルール作りを進める意欲を見せており、経済界からも熱い視線が注がれています。
2019年11月04日には、中国の李克強首相との会談も予定されています。来春に控えた習近平国家主席の国賓としての来日に向けて、日中の関係をより高次元へと発展させられるかどうかが議論される見通しです。安保の緊張感と経済の協調という、極めて繊細なバランス調整を求められるバンコクでの外交劇。日本が世界のリーダーとしてどのような輝きを放つのか、目が離せません。
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