2019年07月下旬にイギリスの新たなリーダーとして就任したボリス・ジョンソン首相に対し、2019年08月02日、安倍晋三首相は電話にて就任の祝辞を伝えました。この会談は、世界中が注目する英国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット」が大きな節目を迎える中で行われた極めて重要な対話です。両首脳は、日英の強力なパートナーシップを再確認するとともに、今後の経済安定に向けた道筋について意見を交わしました。
最大の焦点となったのは、英国がEUを去る際の手続きについてです。安倍首相はジョンソン首相に対し、現在欧州で広く展開している日系企業のビジネス活動がこれまで通り維持されることの重要性を強く訴えました。世界経済へのダメージを最小限に抑えるためには、EUとの間で明確な合意を結んだ上で行う「秩序ある離脱」が不可欠であると説き、その実現に向けて英国がリーダーシップを発揮することへの期待を表明したのです。
ここで言う「秩序ある離脱」とは、あらかじめ決められた猶予期間やルールに基づき、混乱を避けてEUを脱退することを指します。対照的に、何の合意もないまま離脱する「合意なき離脱」が現実となれば、関税の急激な変化や物流の停滞を招き、私たちの生活や企業のサプライチェーンに深刻な影響を与える恐れがあります。安倍首相は、自由貿易の旗手として、こうした予測不能なリスクを回避すべきだと冷静かつ力強く主張したと言えるでしょう。
SNS上では、この電話会談を受けて「日本の首相がしっかりと自国企業の利益を代弁してくれて安心した」という声や、「ジョンソン首相の強硬な姿勢がどう軟化するのか見守りたい」といった期待と不安が入り混じった反応が数多く見受けられました。特に自動車産業などを中心に、英国を拠点とする企業関係者からは、具体的な合意形成を急いでほしいという切実な願いがインターネット上の議論を加速させているようです。
筆者の個人的な見解としては、ジョンソン首相が掲げる「何が何でも離脱する」という強い意志と、日本の求める「安定」をいかに調和させるかが今後の鍵になると考えています。自由貿易の恩恵を誰よりも理解しているはずの英国が、自国の主権回復を急ぐあまり、世界経済の調和を乱すことは避けなければなりません。安倍首相が今回、直接釘を刺した形になったのは、同盟国としての深い信頼関係があるからこそ成し得た外交手腕ではないでしょうか。
今後、2019年08月下旬にフランスで開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)において、両首脳は直接顔を合わせる予定となっています。そこでは、離脱問題のみならず、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力など、より多角的な議論が展開されることが見込まれています。日本としては、英国が国際社会において引き続き建設的な役割を果たし続けられるよう、今後も粘り強く対話を継続していく姿勢が求められています。
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