2020年2月6日の東京株式市場において、日経平均株価が一時500円を超える大幅な上昇を記録しました。日経平均株価とは、日本の株式市場を代表する225社の銘柄から算出される重要な株価指数のことです。自動車や小売りなど幅広い分野で買い注文が膨らんでおり、投資家の間に強い安心感が広がっていると言えるでしょう。この背景には、前日となる2020年2月5日の米国株式相場が力強い伸びを見せたことが大きく影響しています。
実際に2020年2月5日の米ダウ工業株30種平均は、前日比で483ドル22セント高となる2万9290ドル85セントで取引を終えました。ダウ平均とは、アメリカを代表する優良企業30社を対象とした株価指数を指します。過去3日間の上昇幅は合計で1034ドルにも達し、1月下旬に記録した下落分をすっかり取り戻す形となりました。さらに、ハイテク企業中心のナスダック総合株価指数や、幅広い銘柄を網羅するS&P500種株価指数も揃って過去最高値を更新する活況を呈しているのです。
市場を牽引する「治療薬報道」と「金融緩和」への期待
これほどの急回復を支えているのは、中国政府による手厚い景気支援策や、各国の中央銀行による「金融緩和」への強い期待感に他なりません。金融緩和とは、世の中に出回るお金の量を増やし、金利を下げることで経済活動を活発にする政策を意味します。万が一、事態が悪化したとしても、各国が協調して市場を下支えしてくれるだろうという楽観的な見方が大勢を占めているようです。
また、2020年2月5日にはロイター通信などが「中国の浙江大学の研究チームが新型肺炎に有効な治療薬を発見した」と報じたことも、投資家心理を大きく上向かせた要因に挙げられます。SNS上でも「治療薬の発見が本当なら素晴らしい朗報だ」「株価が底を打って反転したみたい」といった喜びの声が数多く見受けられました。未知の感染症に対する過度な恐怖感がやや和らいだことで、相場全体にポジティブな空気が流れ込んできたと言ってよいでしょう。
急回復の裏に潜むリスクと今後の見通し
一方で、専門家による冷静な分析にも耳を傾ける必要があります。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏は、2020年2月5日に発表された米国の経済統計が好調だった点に触れ、海外のヘッジファンドなどによる買い戻しが上昇の要因だと指摘しています。ヘッジファンドとは、様々な取引手法を駆使して高い利益を追求する投資集団のことです。彼らが一時的に株を買い戻した動きが、今回の株価急騰を演出した側面も否定できません。
編集者である私自身も、手放しでこの株価上昇を喜ぶのは時期尚早だと感じています。たしかに足元の数字は華々しいですが、新型肺炎が実際の企業業績やグローバルなサプライチェーンに及ぼす本格的なダメージは、これから顕在化してくるはずだからです。SNSでも一部の投資家から「実体経済への影響はこれからなのに、少し楽観的すぎるのでは」と警戒する意見が呟かれていました。目先の株高に浮かれることなく、引き続き冷静なリスク管理を徹底していくべきでしょう。
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