2019年6月28日にフィデアホールディングス(フィデアHD)が発表した人事および機構改革は、グループのリスク管理体制を大きく進化させるものと注目されます。特に、金融機関の経営において極めて重要となる「ALM・リスク統括グループ」を再編し、専門性を高めた新体制へと移行する点が今回の変更の核となっています。
今回の組織変更では、これまで一つの部門であった「ALM・リスク統括グループ」を、「リスク統括第一グループ」と「リスク統括第二グループ」の二つに分割しています。ALMとは「Asset Liability Management(資産負債管理)」の頭文字をとった専門用語で、金利変動や為替変動などによるリスクを抑えながら、収益の安定化を目指す金融機関の根幹をなす管理手法です。この重要な機能を二つのグループに分けることで、より緻密で迅速なリスク対応を目指す経営の強い意思が見て取れます。
具体的には、まず「リスク統括第一グループ長」には、これまで「ALM・リスク統括グループ長」を務めていた高橋忠浩氏が就任されます。長年の経験と実績を基に、引き続きALMの専門的な知見を活かし、グループ全体の資産負債管理の中核を担っていくことが期待されますでしょう。SNS上でも、この部門分割とキーパーソンの配置に対して、「より守りが固くなる」「堅実な経営姿勢が感じられる」といった前向きな反応が見受けられました。
そして新設された「リスク統括第二グループ長」には、南沢弘規氏が就任されます。南沢氏は前職で「信用リスクグループ長」を務めており、このグループ長ポストには新たに小池徹也氏が就かれています。信用リスクとは、融資先の経営状況の悪化などにより、元本や利息が回収できなくなることで損失を被るリスクのことです。この信用リスクを専門に扱ってきた南沢氏が新グループ長に就くことは、フィデアHDが単にALMを強化するだけでなく、信用リスク管理においてもさらに深い専門性を追求し、グループ全体のリスクカルチャーを一段と高めようとしていることを示唆しています。
今回の2019年7月1日付の組織再編と人事は、フィデアHDが変化の激しい金融環境の中で、より強固で安定した経営基盤を確立するための布石であると、私は考えています。専門分野を細分化し、それぞれの分野に精通したプロフェッショナルを配置することで、予期せぬリスクにも柔軟に対応できる強靭な体制が構築されることに期待が高まりますでしょう。
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