毎日の食卓でついつい余らせてしまう食材が、誰かの笑顔に変わる素敵な仕組みが始まります。埼玉県さいたま市は、2019年08月から食品ロス削減に向けた新たな一歩として、市内の公共施設4カ所に「フードドライブ」の回収窓口を常設することを決定しました。これまで期間限定のイベントなどで行われることはありましたが、市が公共施設に常設ポストを設置するのは今回が初めての試みとなります。
今回、食品の受け取り窓口が設置されるのは、さいたま市役所の本庁舎をはじめ、北区役所、大宮南部浄化センター、そして桜環境センターの計4カ所です。回収された食品は、認定NPO法人「フードバンク埼玉」を経由して、支援を必要とする子ども食堂や福祉施設へと届けられる仕組みになっています。自治体が窓口となることで、市民の皆さんもより安心して、気軽に社会貢献活動へ参加できる環境が整うのではないでしょうか。
「フードドライブ」とは?寄付できる食品の条件をチェック
ここで改めて解説しますと、「フードドライブ」とは家庭で余っている手付かずの食品を持ち寄り、地域の福祉団体などに寄贈する活動を指します。今回のさいたま市の取り組みでは、未開封であることはもちろん、賞味期限に余裕があり、かつ常温保存が可能なインスタント食品や缶詰などが回収対象となります。生鮮食品や冷凍食品などは受け取れないため、持ち込む前にパントリーの中身を一度確認してみるのが良さそうですね。
インターネット上のSNSなどでは、「市役所に行くついでに寄付できるのは助かる」「こういった取り組みが全国に広がってほしい」といった前向きな反応が数多く見受けられます。また、「まだ食べられるものを捨てるのは罪悪感があったけれど、誰かの役に立つなら嬉しい」という声も上がっており、市民の皆さんの関心の高さが伺えます。食品を無駄にしないという意識が、地域全体で共有されつつあるのは非常に喜ばしいことです。
さいたま市では既に、浦和美園駅の近くで食品を持ち込むと地域ポイントが付与される実験的な試みも行っています。2019年08月には、岩槻区にもポイント付与型の窓口が新設される予定ですが、今回常設される4カ所の公共施設では、現時点でのポイント付与は見送られるとのことです。担当者によれば、まずは「捨てない仕組み」を身近に広げることを最優先し、特典の導入については今後の利用状況を見ながら検討していく方針だといいます。
私は、このような「お裾分け」の文化が行政主導で仕組み化されることは、非常に意義深いと感じています。単なるゴミの削減という環境問題へのアプローチにとどまらず、地域コミュニティの中で助け合いの精神を育むきっかけになるからです。便利なポイント制度も魅力的ですが、まずは「もったいない」を「ありがとう」に変える純粋なボランティア精神が、さいたま市の街中に定着していくことを心から願ってやみません。
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