栃木県の宇都宮大学は、未来の技術者を育成するため、人工知能(AI)に関する革新的な授業をスタートさせます。この取り組みの核となるのは、画像処理半導体(GPU)分野で世界をリードする米NVIDIA(エヌビディア)が開発した最新の学習キットです。大学院生を対象としたこの授業では、単に理論を学ぶだけでなく、実際に手を動かしてAI技術を体得することを目指しています。技術の進展が目覚ましい現代において、実践的なスキルを磨ける場が提供されることは、大変意義深いことでしょう。
授業では、NVIDIAが2019年3月に発売したコンパクトなAIコンピューターである「NVIDIA Jetson Nano(エヌビディア ジェットソン ナノ)」というキットを使用します。これは、AI開発に必要な高い処理能力を手軽に扱えるように設計された高性能なモジュールです。宇都宮大学は、この貴重なキットを同社から20台提供を受け、院生16名がAIの基礎知識をしっかりと学んだ後、2019年6月からいよいよロボットカーの製作に取り掛かる予定です。
学生たちは製作したロボットカーにJetson Nanoを搭載し、数週間という期間をかけて自動運転の技術を“覚え込ませる”という挑戦的な課題に挑みます。この過程は、AIの学習モデルを構築し、実際のデータを使って訓練する一連の流れを実体験することになります。このようなハンズオン(実習形式)の学習は、AIのアルゴリズムやその動作原理に対する深い理解を促すでしょう。SNS上では、「これは本当に面白そうな授業だ」「最新技術をすぐに授業に取り入れる宇都宮大学のスピード感がすごい」といった、未来志向の教育に対する期待の声が多数見受けられます。
また、この授業は宇都宮大学単独で実施されるのではなく、スタートアップ企業のFaBo(ファボ、福島県会津若松市)が共同で実施します。FaBoは、この宇都宮大学での一連の教育コンテンツを、学習教材としてパッケージ化し、他の大学や高校などの教育機関へ提供していく計画です。これにより、最先端のAI・自動運転技術に関する教育機会が全国に広がる可能性を秘めています。この動きは、日本の教育現場における技術革新を大きく後押しするものと、私は確信しています。
AI技術を実践するJetson Nanoとは?
ここで専門用語であるGPUとJetson Nanoについて少し解説します。GPUとはGraphics Processing Unit(グラフィックス処理ユニット)の略称で、元々はコンピューターゲームなどの画像処理を高速に行うために開発されました。しかし、その並列処理能力の高さから、大量の計算を同時に行う必要があるAI、特にディープラーニング(深層学習)の分野で不可欠な存在となっています。NVIDIAがそのGPUのトップランナーであることは、AI業界では広く知られている事実です。
そしてNVIDIA Jetson Nanoは、この強力なGPU技術を搭載した小型の組み込みコンピューターであり、研究者や開発者が小型デバイスでリアルタイムのAIアプリケーションを開発できるように設計されています。このプラットフォームを使うことで、学生は複雑な理論を学んだ後、すぐにそれをロボットカーという具体的な形に落とし込み、AIの学習から推論、すなわち「考える」動作までを体験できるようになっているのです。理論と実践が直結するこの学習環境は、学生たちにとって非常に大きな成長機会となるに違いありません。
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