日本で暮らす外国人の増加に伴い、深刻な問題となっているのが「偽造在留カード」の存在です。出入国在留管理庁は、この不正をスマートフォンのアプリで簡単に検知できる画期的なシステム開発に乗り出しました。カードに組み込まれている「ICチップ」の内部データを読み取ることで、券面の記載内容に嘘がないかを一瞬で判別できるようになります。導入の目途は2020年中とされており、不法就労などの犯罪を未然に防ぐ強力な切り札として、多方面から大きな期待が寄せられている状況です。
実を言うと、日本に在留する外国人の数は、2012年12月31日時点の約203万人から右肩上がりで増え続けています。2019年06月30日には約283万人にまで達しており、私たちの社会を支える大切な仲間となっているのです。しかしその一方で、警察庁の調べでは、2018年における偽造カード絡みの検挙件数が620件を記録しました。これは前年の1.6倍という驚くべき急増ぶりであり、事態は一刻を争う深刻な局面を迎えていると言えるでしょう。
では、なぜリスクを冒してまでカードを偽造するのでしょうか。主な理由は、認められていない職種で働いたり、期限を超えて不法に滞在し続けたりするためです。中には、住宅ローンの融資契約を結ぶという目的で不正に手を染めた事例まで発覚しました。近年ではカードの表面に施されたキラキラ光る「ホログラム加工」を模倣した、一見すると見分けがつかないほど精巧な偽造品も出回っています。見破るのが難しくなっているのは本当に恐ろしいことです。
そんな巧妙な手口に対抗する鍵となるのが、カードに内蔵された「ICチップ」です。これは情報を電磁的に記録する小さな電子部品のことで、極めて高いセキュリティ性を誇ります。幸いなことに、このチップ内のデータを改ざんされたケースはこれまで一度もありません。そこに目をつけた入管庁は、端末をカードにかざすだけで内部の情報が画面に表示されるアプリを考案しました。2019年度の補正予算には、開発費として約1億3千万円がしっかりと盛り込まれています。
SNS上では「これで不法就労の巻き添えを食らう企業が減るなら素晴らしい」「中小の味方になる神アプリ」といった歓迎の声が相次いでいます。従来もICチップを読み取るための仕様書は公開されていましたが、企業が自社で専用の機械を用意するのはコスト面も含めて困難でした。そのため、実際に導入できているのは一部の資金力がある金融機関などに留まっていたのが実情です。誰もが持っているスマホで確認できるようになれば、利便性は劇的に向上します。
2019年04月01日には、新たな在留資格である「特定技能」が新設され、日本で働く外国人の姿はさらに日常的なものとなっていくに違いありません。だからこそ、雇う側が安心して手続きできる環境づくりが急務なのです。個人的な意見として、このアプリは善良な外国人労働者の権利を守るためにも不可欠なツールだと確信しています。中小企業の経営者が知らずに不法就労を助長してしまうリスクをゼロにするためにも、一早い普及を心から願ってやみません。
コメント