2019年10月25日、待ちわびた瞬間がやってきました。大型の台風19号による記録的な豪雨の影響で、一部区間の不通が続いていた北陸新幹線が、ついに直通運転を再開します。浸水被害によって12日間もの間、東京と北陸を結ぶ大動脈が遮断された事態は、現地の方々だけでなく多くのビジネスマンや観光客に大きな衝撃を与えました。
今回の運転見合わせは、北陸地方の経済や観光に深刻なダメージを与えたことは言うまでもありません。SNS上でも「金沢旅行をキャンセルせざるを得なかった」「出張の足が奪われて仕事にならない」といった悲痛な声が数多く投稿されていました。しかしその一方で、この非常事態において代替ルートの重要性が改めてクローズアップされる結果となっています。
複層的なアクセス手段が守った北陸のライフライン
新幹線が止まっている間、私たちの足を支えたのは東海道新幹線を経由するルートや航空機、そして高速バスといった「リダンダンシー」の確保でした。リダンダンシーとは、災害などで特定の経路が使えなくなった際に、予備の手段で機能を維持することを指す専門用語です。今回、米原経由で北陸へ向かう特急の増結などが、その役割を立派に果たしました。
編集者としての私見ですが、利便性だけを追求して一つの交通手段に依存する危うさが、この12日間で浮き彫りになったと感じています。一つのルートが断たれても、別の選択肢があるという安心感こそが、現代社会のレジリエンス(回復力)を高める鍵となるでしょう。今回の教訓は、将来的なインフラ整備のあり方に一石を投じたはずです。
2019年10月25日の全線再開は、復旧への第一歩に過ぎません。依然として車両不足による減便などの課題は残りますが、再び新幹線が北陸の地を走り抜ける姿は、被災地に希望を届けてくれることでしょう。私たちはこの経験を糧に、災害大国といわれる日本で、よりしなやかで強固な交通網をいかに構築していくべきか、真剣に向き合わなければなりません。
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