静岡県が世界に誇る海の宝石、サクラエビ。その秋の漁期がいよいよ目前に迫っています。静岡県桜えび漁業組合は、2019年10月23日を目標に秋漁を解禁する方針を固めました。記録的な不漁に苦しんできた近年の状況を鑑みると、この決定はファンにとっても関係者にとっても、希望の光が差し込む大きな一歩と言えるでしょう。
SNS上では「ようやくあの味が帰ってくるのか」と期待に胸を膨らませる声が上がる一方で、「資源は本当に大丈夫なのか」という慎重な意見も散見されます。かつてない危機を乗り越えるため、漁師さんたちは「獲りながら増やす」という非常に難しい舵取りを迫られており、今回の解禁もその覚悟の現れと言えますね。
驚異の回復を見せた産卵調査!19兆粒から326兆粒への飛躍
2019年夏に実施された産卵調査の結果は、驚くべき数値を示しました。2019年7月だけで、湾内の推定総卵数は326兆粒に達したのです。2018年の同時期には、1994年の調査開始以来最低となる19兆粒まで落ち込んでいたことを踏まえれば、驚異的なV字回復を遂げたと言っても過言ではありません。これは私たちが愛する海の底で、命のバトンが確実に繋がっている証拠でしょう。
「産卵調査(さんらんちょうさ)」とは、海中にどれだけの卵が存在するかを科学的に推計し、将来の資源量を予測する重要な活動です。2018年秋から2019年春にかけて、漁師さんたちが自らの利益を削ってまで実施した「自主規制」が、ようやく実を結び始めたのです。自然の再生能力と人間の忍耐強さが合致した結果として、この数字をポジティブに捉えたいところですね。
拭えない懸念材料と今後の課題とは?
明るい兆しが見える一方で、楽観視できないデータも存在します。卵の分布が主産卵場である湾の奥部だけでなく、駿河湾全体に広がっている点が懸念されているのです。南側に分布する卵は潮流によって湾の外へと流出しやすく、せっかくの命が育たないリスクを孕んでいます。産卵時期のズレが原因と見られており、過去の深刻な不漁時にも同様の傾向が確認されていました。
不漁の真因は、過剰な漁獲や海水の濁りなど諸説ありますが、いまだ完全には解明されていません。2019年春漁の水揚げ量は85.3トンと過去最低を記録しており、資源回復はまさに「道半ば」です。解禁直前には広範囲な資源調査が予定されており、その結果次第ではスタートが遅れる可能性も残されています。あくまで慎重な姿勢を崩さないことが、サクラエビの未来を守る唯一の道なのです。
私個人の意見としては、目先の利益よりも100年後の食卓にサクラエビが並んでいることを最優先すべきだと考えます。実石正則組合長が「一筋の光が見えた」と語る通り、このチャンスを逃さず、持続可能な漁業のモデルケースとして駿河湾のブランドを守り抜いてほしいですね。2019年12月23日までの漁期が、実りあるものになるよう祈るばかりです。
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