🔥【EU首脳人事】東欧の「待った」で大紛糾!18時間徹夜協議でも決着せず、次期「顔」は誰に?

2019年6月30日から7月1日にかけてブリュッセルで開催された欧州連合(EU)の首脳会議は、今秋に任期満了を迎える欧州委員長などの主要ポストの人事を巡って大紛糾し、異例の会議延長という事態になりました。18時間にも及ぶ徹夜の協議を経ても意見はまとまらず、結論は7月2日以降に持ち越されるという前代未聞の展開です。会議が一時中断した際、フランスのマクロン大統領は「きょうは失敗に終わった」と述べ、ドイツのメルケル首相も「決まらないとは思わなかった」と深い嘆きを表明しています。この混乱は、EUの求心力低下と加盟国間の溝の深さを浮き彫りにしています。

会議が難航した大きな原因は、EUの執行部、そしてドイツとフランスが事前に準備していた人事案に、ハンガリーやポーランドといった東欧諸国が強硬に反対の姿勢を示した点にあります。実は、トゥスクEU大統領や独仏伊、スペイン、オランダの首脳たちは、直前に大阪で開催されたG20サミット(20カ国・地域首脳会議)への出席で日本滞在中に水面下で会合を重ねていました。そこで、次期欧州委員長にオランダ出身のティメルマンス欧州委員会第1副委員長を推すという、いわゆる「大阪合意」を腹案としていたのです。

ティメルマンス氏は外交官出身で6カ国語に堪能とされ、現委員長のユンケル氏の右腕とも評される実力者です。しかしその一方で、「傲慢で人望がない」という批判的な評判も根強く存在していました。さらに、彼が担当する欧州委員会での「法の支配」に関する役割から、強権的な政権運営が目立つポーランドやハンガリーに対して厳しく批判をしてきた経緯があります。これにより東欧諸国が一斉に反発し、ハンガリーのオルバン首相は「(この人事案は)歴史的な誤りになる」とまで述べて徹底抗戦の構えを見せました。また、ポピュリズム(大衆迎合主義)政権とされるイタリアも非協力的な姿勢を取り、人事案の了承を拒否したのです。

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ポスト配分を巡る政党間の綱引き

議論がこじれたもう一つの要因として、ティメルマンス氏が欧州議会で第2会派である欧州社会・進歩連盟(中道左派)に所属していたことが挙げられます。2019年5月の欧州議会選挙で最大会派の座を獲得した欧州人民党(中道右派)が「最大会派の我々にもポストを配分すべきだ」と強く主張したため、調整がさらに難しくなりました。トゥスクEU大統領は、最大会派の要求も満たせるよう、各国首脳と膝を突き合わせて集中的な調整に奔走せざるを得ない状況に陥りました。

最終的に、徹夜での協議で大筋での合意が得られたのは、今秋に任期切れとなる欧州委員長、EU大統領、そして外交安全保障上級代表(外相に相当する役職)の主要3ポストをセットで決定するという枠組みのみでした。会議の途中では「ドイツのフォンデアライエン国防相がEU外相に転じる」といった様々な情報が錯綜し、依然として各国の意見は収束していないようです。今回ティメルマンス氏に対して噴出した強い逆風は、前回の2014年にユンケル氏が欧州委員長に選出された際に反対したのが英国とハンガリーのわずか2カ国だった状況と比べると、その深刻さが際立っています。

このEU首脳人事が3日間にわたるマラソン会合の末に決定するにせよ、あるいは再び先送りされるにせよ、次期EU体制の船出は非常に多難なものとなるでしょう。東欧諸国の台頭と中道政党の勢力低下は、EUという共同体の意思決定プロセスに大きな影を落とし始めています。EUがこれまで維持してきた協調路線が揺らぎ、加盟国間の溝が深まることは、ブレグジット(英国のEU離脱)問題とも相まって、今後の国際社会におけるEUの存在感に大きく影響すると懸念しています。この混迷の展開は、EUの今後の行方を占う上で非常に重要なターニングポイントになるに違いありません。

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