2019年07月23日、最新の医療機器出荷額データに基づいた世界シェアランキングが明らかになりました。今回の調査結果で最も注目すべきは、アイルランドに本社を置くメドトロニックが、2018年度も4年連続で世界首位の座を死守したことです。同社は心臓ペースメーカーや脊椎手術用器具といった、直接的な治療に用いる「治療機器」の分野で圧倒的な強さを誇っており、盤石の体制を築いています。
一方で、今回のランキングで大きな波乱を巻き起こしたのが、アメリカのベクトン・ディッキンソン(BD)です。同社は積極的なM&A、つまり「企業の合併・買収」を戦略的に進めた結果、前年の8位から一気に5位へと順位を押し上げました。M&Aは、他社の技術や販売網を素早く取り込むことで、自社の成長スピードを劇的に加速させる手法ですが、BDはこの戦略を見事に成功させ、業界の勢力図を塗り替えつつあります。
治療機器を制する米国勢の圧倒的パワーと日本メーカーの課題
ランキングの上位層を眺めてみると、その多くがアメリカのメーカーで占められていることに気付かされるでしょう。これら上位企業に共通しているのは、診断よりも一歩踏み込んだ「治療」の現場で不可欠なデバイスに注力している点です。SNS上では、「やはり命に直結するデバイスを持つ米国企業の壁は厚い」といった声や、「買収劇による業界再編のスピード感に驚きを隠せない」という驚嘆のコメントが数多く寄せられています。
対する日本勢に目を向けると、内視鏡分野で世界的に有名なオリンパスが18位、カテーテル技術に定評のあるテルモが20位という結果に留まりました。日本独自の精緻な技術力は高く評価されているものの、巨大な資本力を武器にシェアを拡大する欧米勢の後塵を拝しているのが現状です。編集者の視点から言えば、技術の磨き込みだけでなく、いかにグローバルな市場で主導権を握るための経営戦略を打ち出せるかが、今後の日本企業の命運を分けるはずです。
今後の展望として、世界の医療機器市場は高齢化社会の進展を背景に、年間5%程度の着実な成長が見込まれています。2018年12月31日までのデータが示す通り、需要はますます高まっていくでしょう。この成長市場において、日本企業が持ち前の技術力を武器にどこまで順位を押し上げられるか、あるいは新たな買収劇が起きるのか、今後の動向から目が離せそうにありません。
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