古都・京都の経済界を牽引する京都商工会議所において、大きな注目を集める人事のニュースが飛び込んできました。2019年07月23日、現職の立石義雄会頭は、同年11月からスタートする5期目についても引き続き続投する意向を正式に表明したのです。本来であればこのタイミングでバトンタッチが行われる予定でしたが、組織の舵取りを担うトップの決断に、地元経済界には驚きと安堵が入り混じった空気が流れています。
今回の続投劇の背景には、予期せぬ事態がありました。後継者として有力視され、着々と調整が進められていたワコールホールディングスの塚本能交副会頭が、体調不良によって就任が困難な状況に陥ってしまったのです。商工会議所とは、地域の商工業者の利益を守り、経済を活性化させるための公的な性格を持つ経済団体です。そのトップが不在になることは地域経済の停滞を招きかねないため、立石氏は「当面は自らが役目を引き受け、塚本氏の回復を待つ」という苦渋かつ責任感に満ちた選択をされました。
SNS上では、このニュースに対して「立石会頭の安定感には期待しているけれど、体調が心配」「塚本さんの回復を祈るばかりだ」といった、お二人を気遣う声が数多く寄せられています。また、「京都のリーダー層の若返りが必要な時期では」という、変化を望む鋭い指摘も見受けられました。長年にわたりオムロンの経営を支えてきた立石氏への信頼は絶大ですが、異例の長期政権となることへの懸念も、期待と同じくらい大きく膨らんでいるようです。
立石会頭ご自身も、決して現状に甘んじているわけではありません。会見の中では「組織には新しい風を通す必要がある」と力説し、リーダー交代がもたらす新陳代謝の重要性を十分に認識している様子を覗かせました。商工会議所の会頭職は、地域の伝統を守りつつ、時代の変化に合わせたイノベーションを創出する極めて難しいポジションです。自らの任期が伸びることへの責任を痛感しつつも、次世代への橋渡しを最優先に考える姿勢には、真のリーダーとしての品格が漂います。
私個人の見解としては、今回の判断は京都経済の「継続性」を担保するための最善策だと考えます。現在の不透明な経済状況下でトップが空白になるリスクを考えれば、経験豊富な立石氏が踏みとどまる意義は極めて大きいでしょう。しかし、本人が仰る通り、一人のカリスマに頼り続ける体制は組織の柔軟性を奪う恐れもあります。塚本氏の一日も早い回復を願いつつ、この「繋ぎの期間」にどれだけ次世代の育成と組織改革を進められるかが、今後の京都の命運を分けるのではないでしょうか。
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