ポスト安倍のキングメーカーへ!麻生太郎氏が仕掛ける「令和の政界再編」と緻密な後継者戦略

2019年9月11日に実施された内閣改造と自民党役員人事を受け、永田町では「ポスト安倍」を巡る駆け引きが一段と熱を帯びています。組織のリーダーにとって、自分に有利な後継者を選びたいという欲求は普遍的なものですが、その鍵を握るのは安倍晋三首相だけではありません。閣内最長老として政権を支え続ける麻生太郎副総理兼財務相が、持ち前の政治的嗅覚で独自の包囲網を築こうとしています。

2019年9月14日、広島市内のホテルで開催された後援会の会合に、麻生氏は政調会長に再任されたばかりの岸田文雄氏を招きました。約1000人の聴衆を前に、岸田氏が麻生氏への謝意を述べる姿は、両者の密接な関係を印象づける一幕となりました。53人の議員を擁する党内第2派閥の領袖として、麻生氏は単なる「首相の側近」に留まらない、キングメーカーとしての地歩を固めつつあるようです。

SNS上では、この二人の接近に対し「大宏池会構想の再燃か」と期待する声や、「麻生氏の政治力は相変わらず凄まじい」といった驚きの反応が目立ちます。麻生氏が理想とするのは、党内で疑似的な政権交代が可能な「二大派閥体制」です。これは、野党が弱体化している現状において、自民党内部で質の高い政策論争を戦わせることで、政権の緊張感と政策の妥当性を担保しようとする高度な戦略と言えるでしょう。

麻生氏の視線の先には、第1派閥である細田派に、現時点で有力な総裁候補が見当たらないという好機があります。もし岸田氏が麻生氏と完全に手を組めば、安倍首相との良好なパイプも加わり、次期総理の最有力候補に躍り出ることができます。麻生氏にとっても、岸田氏の後見人として影響力を維持できるメリットは大きく、互いの利害が一致するこの構図は、極めて現実的な選択肢として浮上しています。

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手札を隠し持つ老獪な戦略と「麻生派」の次世代布陣

しかし、麻生氏の戦略は岸田氏一本に絞られているわけではありません。今回の人事で防衛相に横滑りした自派の河野太郎氏に対しても、表向きは「修行が足りない」と突き放しつつ、ポスト安倍の候補として閣内に残ったことを密かに喜んでいます。56歳の河野氏が派閥を継ぐにはまだ早いという計算もあり、麻生氏は自身の義弟である鈴木俊一氏を総務会長に送り込むことで、派内の安定を図るという布陣を敷きました。

ここで注目すべき「総務会長」という役職は、党の意思決定機関である総務会のトップであり、全会一致を原則とする自民党において極めて重要な権限を持ちます。穏健派として知られる鈴木氏を据えたことで、麻生氏は自身の派閥を「総裁候補を輩出する安定した集団」として維持することに成功しました。この盤石な体制があるからこそ、他派閥の有力者に対しても「自分が推せば総理になれる」という自信を持てるのです。

さらに麻生氏は、竹下派の茂木敏充外相や加藤勝信厚生労働相といった、安倍首相に近い実力者たちとも良好な関係を築いています。若手や中堅議員に経済界の重鎮を紹介するなど、面倒見の良さを発揮して「恩」を売ることも忘れません。こうした地道な根回しは、かつて祖父である吉田茂元首相の傍らで、大磯の邸宅に引きも切らず客が訪れる光景を見て育った麻生氏ならではの、血に流れる政治文化と言えるでしょう。

個人的な見解を述べれば、麻生氏の行動は単なる権力欲ではなく、政権の「継続性」と「安定」を最優先に考えた末の合理的な行動に見えます。一方で、党内総裁任期が切れる2021年9月以降の「安倍4選」を望む声も根強く、麻生氏自身もその可能性を視野に入れています。状況が流動的な今、あえて手札を絞らず、あらゆる選択肢を懐に忍ばせておく老獪さこそが、彼の真骨頂であり、日本政治を動かす大きな力となっているのです。

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