2019年08月01日、日本政策投資銀行北海道支店は道内の設備投資計画に関する最新の調査結果を公表しました。2019年度の投資予定額は、前年度の実績を12%も上回る4888億円に達する見通しです。この二桁増という勢いは、1997年度以降で最も高い伸び率を記録しており、2年連続の増加傾向にあることから、北海道経済が非常に力強い局面を迎えていることが伺えます。SNS上でも「地元企業の景気の良さを感じる」「雇用の拡大につながってほしい」といった期待の声が目立ちます。
今回の景気拡大を力強く支えているのは、何といっても輸送用機械を中心とした製造業の存在でしょう。特に注目を集めているのが、自動車関連の大型投資です。トヨタ自動車北海道が変速機の製造ラインを新たに設けるほか、ダイナックスも次世代の車社会を見据えた電気自動車(EV)用部品の新工場建設を予定しています。製造業における積極的な姿勢が、地域全体の経済活性化を後押しするエンジンとなっているのは間違いありません。こうした先端技術への投資は、北海道の産業構造をより強固なものにするでしょう。
一方で、北海道の代名詞とも言える観光業の勢いも衰えを知りません。加森観光がルスツリゾート内に新たな温泉施設をオープンさせたほか、鶴雅ホールディングスも富裕層をターゲットにした高級宿泊施設を相次いで開業しました。これらは「設備投資」と呼ばれ、将来の収益向上を目指して建物や機械などの有形資産を整える活動を指します。訪日外国人客(インバウンド)の増加を背景に、単なる宿泊提供にとどまらない、付加価値の高い体験型サービスを提供しようとする企業の熱意がひしひしと伝わってきます。
さらに、現代の日本が抱える課題である人手不足に対応するための「合理化・省力化」投資も、多くの現場で導入が進んでいます。これはIT機器や産業用ロボットの導入によって、限られた人員でも効率的に業務を回せるようにする工夫のことです。現場の負担を軽減しつつ生産性を高めるこの動きは、今後の持続可能な経営において避けては通れない道と言えるでしょう。単なる規模拡大だけでなく、中身を磨き上げる質的な進化も同時に進行している点は、非常にポジティブな評価ができるのではないでしょうか。
ただし、こうした明るい兆しの一方で、世界情勢に目を向けるといくつかの懸念材料も存在します。米中間の貿易摩擦による世界経済の減速懸念や、急速に冷え込む日韓関係の悪化は、今後の輸出や観光客の動向に影を落とす可能性を孕んでいるからです。企業の投資意欲は非常に旺盛ではありますが、外部環境の急激な変化がブレーキにならないか、慎重に見極める必要があるでしょう。不透明な情勢だからこそ、攻めと守りのバランスをどう取るかが、経営者にとっての腕の見せ所となるに違いありません。
個人的な見解を述べさせていただきますと、今回の調査結果は北海道が「資源豊かな観光地」から「次世代技術の拠点」へと進化する過程を示しているように感じます。特にEV関連の工場新設などは、地球規模の環境対策に寄与する未来志向の動きであり、大変素晴らしいことだと考えています。外部リスクは常に付き物ですが、この勢いを止めずに地域の雇用や所得向上へと還元されていくことを切に願っています。官民が一体となってこの好機を活かし、さらなる飛躍を遂げることを期待したいところです。
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