米国株が史上最高値を更新!適温相場への期待で動き出した長期マネーと2020年の展望

2019年12月16日の米株式市場において、ダウ工業株30種平均が約3週間ぶりに史上最高値を塗り替えました。SNS上でも「ついにダウ最高値更新!」「来年もこのまま上がり続けてほしい」といった投資家たちの歓喜の声が次々と投稿されています。長らく市場を覆っていた不透明感が払拭されつつあり、積極的に株を買い求める動きが鮮明になってきたと言えるでしょう。

こうした株高の背景にあるのは、米中貿易摩擦の緩和に対する期待と、イギリスの欧州連合(EU)離脱問題における先行きの不透明感が和らいだことです。市場には「問題が完全に解決したわけではないものの、近い将来に事態が悪化する恐れは低くなった」という安堵感が広がっています。これにより、投資家たちのリスクを取る姿勢が再び強まってきているのです。

特に注目すべきは、米国株を対象とした投資信託への資金流入が急増している点です。2019年12月16日には、将来の金利変動を予測する「米10年物国債・変動率指数」が7カ月ぶりの低水準を記録しました。これは株式市場における「恐怖指数(VIX指数)」の国債版とも呼べるもので、投資家が今後の長期金利について現状の1.9パーセント程度から大きく変動しないと予想していることを示しています。

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金利安定がもたらす「適温相場」への期待

2020年に向けて、アメリカの連邦準備理事会(FRB)が政策金利を据え置くという見方が急速に市場のコンセンサスとなりつつあります。世界最大級の資産運用会社の担当者も、米中協議の行方を注視しつつ、アメリカの10年国債の利回りは当面1.8から2.0パーセントの狭い範囲で推移すると予測しています。安全資産である米国債の利回りが安定することは、投資家にとってこの上ない安心材料となるでしょう。

振り返れば2019年8月から2019年10月にかけては、米中対立の激化によって金利が歴史的な乱高下を見せ、投資家の心理に冷や水を浴びせました。しかし現在では、パニック的な金利低下を引き起こした2019年9月の1.42パーセントよりも高く、昨年末の2.68パーセントよりは低い絶妙な水準に落ち着いています。景気拡大と低金利が両立する、いわゆる「適温相場(ゴルディロックス相場)」の条件が見事に整ってきたわけです。

ETFへの記録的な資金流入と今後の懸念点

このような好環境のもと、米国の上場投資信託(ETF)市場には驚くべき規模の資金が流れ込んでいます。ETFとは、証券取引所に上場し、特定の株価指数などの値動きに連動することを目指す金融商品のことです。調査会社のデータによると、2019年12月13日までの7日間で合計162億ドル(約1兆7700億円)もの流入があり、特に2019年12月13日単日だけで61億ドルが集まるという活況ぶりを見せました。

中でも圧倒的な人気を集めているのが、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500に連動する「SPDR S&P500ETF」です。この商品だけで7日間に69億ドルの資金を吸い上げており、年金基金や保険会社といった長期的な視点で運用を行う機関投資家が、主力資金を株式市場へシフトさせている実態が浮かび上がってきます。米国株のみならず、新興国株や低格付けの社債を対象としたETFにも買いが入っている状況です。

S&P500株価指数の年初からの上昇率はすでに26パーセントに達しており、過去20年間で2番目の好成績を記録する勢いです。ウォール街全体が明るいムードに包まれていますが、編集者である私は、この「楽観論一色」の現状にこそ死角が潜んでいると考えています。現在の株高は経済の好調さを過分に織り込んだ結果であり、企業業績から見るとやや過熱感が否めません。新たな好材料が出なければ、今後の相場は次第に重い展開になるのではないでしょうか。

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