アメリカの株式市場が、ドナルド・トランプ大統領の言動によって激しく揺れ動いています。2019年08月23日に突如として投稿された「怒りのツイート」は市場に冷や水を浴びせましたが、一転して2019年08月26日には中国との貿易協議再開に前向きな姿勢を示しました。この発言を受けて市場では買い戻しの動きが強まったものの、投資家の間には依然として慎重なムードが漂っています。
この日のダウ工業株30種平均は反発したものの、先週末に記録した大幅な下落分を半分も取り戻すには至りませんでした。SNS上では「大統領の言葉一つで資産が上下するのは勘弁してほしい」といった悲鳴に近い声や、「もはや予測不能なエンターテインメントのようだ」という皮肉混じりの反応が相次いでいます。こうした不安定な状況が、腰を据えて運用を行う長期投資家たちの足を遠のかせているのでしょう。
現在の相場を主導しているのは、ニュースの単語に即座に反応して売買を完結させる「アルゴリズム取引」だと言われています。これはコンピューターが高度な数式に基づき、人間では不可能な速さで自動執行する取引手法のことです。一方で、生身の人間である投資家たちは、トランプ大統領の発言に対する信頼の揺らぎや、中央銀行による金融緩和の効果が薄れている現状を冷静に見つめ直しているようです。
これまで米株市場を支えてきたのは、景気が過熱も冷え込みもしない絶妙な状態を指す「適温相場(ゴールド・ロックス)」でした。しかし、この心地よい環境にも終わりの足音が近づいています。SNSでも「ぬるま湯の時代は終わった」という懸念が広がっており、市場の主役が交代しつつある兆しが感じられます。政策の不透明感は、景気の先行きを曇らせる大きな要因となっているのです。
個人的な見解を述べさせていただくと、政治的な駆け引きが市場のファンダメンタルズ(経済の基礎条件)を凌駕する現状は、極めて危ういバランスの上に成り立っていると感じます。2019年09月に利下げが実施されたとしても、それはあくまで一時的な処置に過ぎません。外交問題の根本的な解決が提示されない限り、市場に真の平穏が訪れることは難しく、忍耐の時間が続くのではないでしょうか。
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