2019年10月13日、日本の株式市場に明るい兆しが見えてきました。米国政府が10月15日に予定していた対中追加関税の引き上げ先送りを決定したことで、泥沼化していた貿易摩擦が和らぐとの期待が世界中に広がっています。週明けの東京市場では、週末の米国株の大幅高を受けた「買い安心感」が広がり、投資資金が再び日本株へと流入する展開が予想されるでしょう。
先週の世界市場を振り返ると、米中閣僚級協議の前進への期待から、日経平均株価は3週ぶりに反発する底堅さを見せました。2019年10月11日のシカゴ市場における日経平均先物は2万2040円を記録しており、大阪取引所の終値を大きく上回る水準で取引を終えています。SNS上でも「ようやく反撃開始か」「月曜日の寄付きが楽しみ」といったポジティブな声が目立っており、投資家心理は確実に改善しているようです。
楽観論の裏に潜む「テールリスク」と世界経済の不透明感
しかし、手放しでの楽観は禁物かもしれません。市場では「テールリスク」への警戒がじわりと高まっています。これは、発生確率は極めて低いものの、もし現実になれば市場に甚大なダメージを与える予測不能なリスクを指す言葉です。実際に、市場の歪みや不安度を示す「米スキュー指数」は2019年10月に入り上昇傾向にあり、投資家が万が一の急落に備えて保険をかけ始めている様子が伺えます。
さらに、欧州に目を向けると、2019年10月17日から18日に開催されるEU首脳会議を前に、英国の「合意なき離脱」への懸念も消えてはいません。国際通貨基金(IMF)が発表を控える世界経済見通しにおいても、成長率の下方修正が確実視されています。米中対立という大きな火種が沈静化に向かいつつある一方で、実体経済への悪影響という「後遺症」が、株価の上値を抑える重石となる可能性は否定できないでしょう。
個人的な見解としては、現在の相場は「期待感による上昇」と「現実の業績不安」が激しく交錯する過渡期にあると感じます。日本企業でも2月期決算企業を中心に下方修正が相次いでおり、ファンダメンタルズ(経済の基礎条件)は決して良好とは言えません。しばらくは、悪材料が出れば金融緩和への期待で買われ、上がれば利益確定売りに押されるという、一進一退のレンジ相場が続くのではないでしょうか。
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