改正会社法成立!社外取締役に本当に必要なのは「平時の静観」と「有事の決断力」

2019年12月17日、企業の基本的なルールを定めた改正会社法がついに成立しました。この法律の目玉の一つが、上場企業に対する社外取締役の設置義務化です。SNS上でも「これである程度の企業不正は防げるのではないか」といった期待の声が上がる一方で、「本当に機能するのか疑問だ」という慎重な意見も飛び交っています。実際のところ、ビジネスの現場ではすでに導入が進んでおり、今回の法改正は現状に追いついた形だと言えるでしょう。

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社外取締役に求められる「質」とガバナンスの課題

そのため、投資家やビジネスパーソンの関心は、単に制度を導入するかどうかという「量」の議論から、どのような人物を起用するのかという「質」の問題へとシフトしています。社外取締役とは、会社と直接の利害関係がない外部の視点から経営をチェックする役員のことです。たとえ複数の独立した役員を迎え入れたとしても、一般の株主の利益を守るという強い使命感を持たない人物であれば、企業価値の向上には繋がりません。

企業の不正を防ぎ、透明性の高い経営を行うための管理体制である「コーポレートガバナンス」の担当者からは、切実な悩みが漏れ聞こえてきます。それは、外部から招かれた役員が張り切りすぎてしまい、本来口を出すべきではない日常の業務執行の細部にまで干渉してくるという問題です。彼らに求められているのは、経営陣から独立した立場での客観的な監督機能に他なりません。

しかしながら、かつて経営の最前線で活躍したようなシニア層がその座に就くと、つい昔の経験を頼りに実務を仕切ろうとしてしまう傾向があります。特に深刻なのが、社長や取締役の候補者選びの妥当性を評価する「指名諮問委員会」での振る舞いです。外部の視点を入れる本来の目的は、人事プロセスの公正性を担保することにあります。それにもかかわらず、まるで企業の人事権を完全に掌握したかのように勘違いするケースが後を絶ちません。

有事にこそ問われる真の存在意義

ひどい場合には、社内の特定勢力と結託して権力争いにのめり込む事態まで発生していると耳にします。これでは、何のために外部から人材を登用したのか全く意味がありません。その一方で、平時は些細なことにまで口を挟むくせに、企業が危機に直面した肝心な場面で全く機能しないというのも非常に困った問題です。今年は経営陣の人事を巡るガバナンスのトラブルが相次いで発生し、世間の注目を集めました。

そのような企業の命運を左右する重要な取締役会において、「他に用事があるから」という呆れた理由で平然と途中退席するような人物も現れています。経営の公正性が最も問われるまさにその瞬間に席を外す行為は、責任逃れ以外の何物でもないでしょう。外部役員の仕事には、何事もない平時と、危機に瀕した有事とで明確な違いが存在します。私は、普段は静かに見守りながらも、いざという時に鋭いメスを入れる存在こそが理想的だと考えています。

平時はあえて目立たず「昼行灯」のように振る舞い、過度な干渉を控えるべきです。そして、会社が危機的な状況に陥った有事の際にこそ、その真価を遺憾なく発揮して経営陣を厳しく正すこと。それこそが、彼らがそこに存在する真の意義なのだと強く主張いたします。

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