2019年08月16日現在の東京株式市場は、まさに嵐の前の静けさを感じさせる緊張感に包まれています。投資家たちが今、最も熱い視線を注いでいるのは、株価のトレンドを可視化する「移動平均線」の動きです。これは過去の一定期間の株価を平均して線で結んだ指標ですが、主要な線がそろって下落に転じるという、不穏な空気が漂い始めました。
実際のところ、2019年08月15日の日経平均株価は、朝方に安値を付けた後になんとか踏みとどまる動きを見せました。しかし、専門家の間では「日本株への投資は極力控えるべき」という慎重な意見が目立っています。短期、中期、そして長期のすべてのトレンドを示す移動平均線が下向きになっている現状では、相場の流れが完全に下方向へ傾いていると判断せざるを得ない状況なのです。
長期トレンドの壁「200日移動平均線」が示す深刻な拒絶反応
特に注目すべきは、約1年間の相場の方向性を示す「200日移動平均線」の存在でしょう。2018年10月以降、この線は下落を続けており、現在の株価はこの線よりも低い位置に沈んでいます。相場が再び勢いを取り戻すには、株価がこの200日線を力強く突き抜ける必要があります。しかし、2019年に入ってからは、この線に近づくたびに利益を確定させる売りが浴びせられる展開が続いています。
いわば、200日線が「上値抵抗線(株価の上昇を阻む壁)」として、投資家心理に強烈なプレッシャーを与えていると言えるでしょう。実際に、長期投資を主軸とする欧米の投資家たちも、この線を超えると買いの手を止めてしまう傾向にあります。SNS上でも「200日線が重すぎて手が出せない」「今は静観が正解か」といった、不安の色を隠せない投稿が散見されるようになりました。
さらに不吉なサインとして、チャート上には「三尊天井(さんぞんてんじょう)」という形が浮かび上がっています。これは3つの山を描くような株価の動きで、買いの勢いが尽き果てた際に出現する代表的な下落サインです。加えて、株価の振れ幅が狭まっていく「三角もちあい」の状態も進んでおり、2019年09月に向けて相場が下方向へ大きく崩れるリスクを孕んでいます。
機械的な売りが加速するリスクと、編集部が注目する逆転のシナリオ
なぜここまでチャート分析が重要視されるのでしょうか。その理由は、現代の市場で圧倒的な存在感を放つ「アルゴリズム取引」にあります。海外のヘッジファンドなどは、AIや機械を用いた自動取引を駆使しており、彼らはテクニカルな指標を元にトレンドを判断します。つまり、チャートに弱気サインが出た瞬間に、機械的な売りが雪崩のように押し寄せる構造になっているのです。
2019年08月15日に相場が冷え込んだ背景には、米国で長期金利と短期金利が逆転する「逆イールド」という現象が発生したことも影響しています。これは景気後退の予兆とされる異常事態であり、SNSでは世界的な不況を懸念する声が爆発的に増えています。米中対立の激化というマクロ環境の悪化も相まって、投資家のマインドは冷え込みを隠せません。
しかし、あえて私はここで一石を投じたいと思います。現在の株価は200日移動平均線から大きく離れており、短期的な「売られすぎ」のサインも出ている点に注目すべきです。FRB(米連邦準備理事会)の追加利下げや、政治的な歩み寄り次第では、この悲観論が反転する可能性もゼロではありません。今はチャートの警告に耳を傾けつつも、過度なパニックに陥らず、冷静に嵐が過ぎ去るのを待つ忍耐が必要な時期ではないでしょうか。
コメント