中国が2カ月連続の利下げを断行!米FRBに追随する「LPR」引き下げで冷え込む景気を下支えできるか?

世界経済の行方を左右する大きな動きが、アジアの大国から届きました。2019年9月20日、中国人民銀行は事実上の政策金利として機能している「ローンプライムレート(LPR)」の1年物について、これまでの年4.25%から4.2%へと引き下げることを決定しました。わずか0.05%という小幅な調整ではありますが、これは先日の米連邦準備理事会(FRB)による利下げに足並みを揃えた形であり、減速が懸念される国内経済をなんとか支えようとする中国政府の強い意志が感じられます。

ここで注目すべき「LPR」とは、銀行が最も信用力の高い優良企業に対して適用する貸出金利の指標のことです。中国ではこれまで、当局が直接決定する「基準金利」が重きをなしてきましたが、より市場の実態を反映させるために2019年8月からこのLPRを新しく「事実上の政策金利」として運用し始めました。いわば、経済の体温に合わせて柔軟に変化する新しい物差しを導入したばかりなのです。今回の改定は、その新制度がスタートしてから2カ月連続での引き下げとなります。

SNS上では「米中の金利引き下げ競争が本格化してきた」といった声や、「製造業への恩恵はどこまであるのか」といった疑問が飛び交っています。実際のところ、銀行はこのLPRに各企業の信用リスクなどを上乗せして最終的な貸出金利を決定するため、この指標が下がることは、貿易摩擦で苦境に立たされている製造業にとって資金調達コストが安くなるという、非常にポジティブなニュースと言えるでしょう。一見すると小さな数字の変化ですが、企業にとっては死活問題に関わる重要な一歩なのです。

一方で、興味深いのは同時に発表された5年物のLPRが4.85%で据え置かれた点です。5年物は主に住宅ローンの基準となるため、ここを動かさなかった背景には、不動産バブルをこれ以上加熱させたくないという当局の慎重な姿勢が透けて見えます。景気は刺激したいけれど、住宅価格の暴騰は抑えたいという、まさに綱渡りのような舵取りを迫られている状況です。経済の心臓部である製造業をピンポイントで救済しようとする、中国らしい巧妙な戦略と言えるのではないでしょうか。

個人的な見解としては、今回の小幅な利下げは「市場へのメッセージ」としての意味合いが強いと感じます。FRBの動きを静観せず、即座に反応することで、投資家や企業に対して「政府は経済を見捨てない」という安心感を与えた功績は大きいでしょう。しかし、アメリカとの貿易戦争が長期化の様相を呈する中、この程度の微調整だけで荒波を乗り越えられるのかは不透明です。今後、毎月20日に発表されるこの数字が、中国経済の命運を占う重要なバロメーターになっていくことは間違いありません。

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