世界経済の羅針盤とも言える米連邦準備理事会(FRB)が追加の利下げを決定したことを受け、東南アジアの各国中央銀行が次々と追随する動きを見せています。2019年09月19日に利下げを断行したインドネシアに続き、2019年09月26日にはフィリピンも金利の引き下げを発表しました。米中貿易摩擦が長期化の様相を呈する中、先行きの不透明感を払拭するために各国が金融緩和という「特効薬」で景気の底上げを急いでいる状況です。
フィリピン中央銀行は2019年09月26日、政策金利である翌日物借入金利を年4.25%から4.0%へと引き下げる決断を下しました。これは2会合連続、今年に入ってから3回目という極めて積極的なペースでの利下げとなります。政策金利とは、中央銀行が民間銀行に融資する際の金利のことで、これが下がると企業や個人がお金を借りやすくなり、投資や消費を刺激する効果が期待されるものです。
減速する東南アジア経済と緩和へ舵を切る背景
これまで高い成長率を誇ってきたベトナムでさえ、2019年09月16日には約2年ぶりとなる利下げを実施しました。ベトナム国家銀行は、世界経済が好ましくない方向へ変動していると危機感を募らせており、マレーシアでも追加利下げの観測が根強く囁かれています。ネット上では「新興国の成長神話にブレーキがかかるのか」といった不安の声も上がっていますが、同時に「今こそ買い場」と捉える投資家の視線も熱くなっています。
実際に東南アジアの経済指標を見ると、緩やかな減速感は否定できません。フィリピンでは予算執行の遅延によって国家プロジェクトであるインフラ整備に遅れが生じており、成長の足かせとなっています。また、インドネシアでは主要な輸出産品である石炭やパーム油の価格が下落した影響で、外貨を稼ぐ力が弱まり、それが国内の個人消費の冷え込みに繋がっているようです。かつての「飛ぶ鳥を落とす勢い」が、今は試練の時を迎えています。
2018年には通貨防衛や物価抑制のために利上げを繰り返していた各国ですが、現在は物価が安定し、FRBの緩和姿勢によって自国通貨の下落リスクが抑えられたことで、ようやく「景気刺激」に集中できる環境が整いました。個人的な見解としては、この利下げラッシュは単なる米国の追随ではなく、域内の内需を死守するための防衛策だと感じます。世界的な景気後退の波を、この低金利政策でいかに食い止められるかが今後の焦点となるでしょう。
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