ハンセン病家族訴訟で国が控訴断念を表明!差別の連鎖を断ち切り、全家族の救済へ向けた大きな一歩

2019年07月09日、長きにわたり理不尽な差別に耐え忍んできたハンセン病元患者のご家族にとって、歴史的な転換点が訪れました。安倍晋三首相は、先月の熊本地裁判決が命じた国への損害賠償命令を受け入れ、控訴を断念する意向を明らかにしたのです。この決断は、かつての誤った国の政策によって生み出された「偏見」という名の壁を打ち破る、極めて重要な意味を持っています。

SNS上では「ようやく当たり前の正義が認められた」「ご家族の苦労を思うと言葉が出ない」といった、国の方針を支持する声が数多く寄せられています。今回の決断は、単なる法的な勝利に留まらず、社会全体が負の歴史と向き合うきっかけとなるでしょう。ハンセン病とは、かつて「らい病」と呼ばれた感染症ですが、現代では特効薬により完治する病気であり、感染力も極めて弱いことが証明されています。

しかし、かつての日本では「らい予防法」という法律に基づき、患者を強制的に隔離する政策が長らく続けられてきました。専門用語であるこの「隔離政策」は、病気への恐怖心を不必要に煽り、患者のみならずその家族までもが地域社会から排除される原因を作ったのです。家族であることを隠し続けなければならなかった、人々の悲しみは計り知れません。ようやく、彼らの奪われた尊厳が回復される道が開かれたのです。

スポンサーリンク

「もう隠さなくていい」原告団長が語った80年の慟哭

2019年07月09日の午後、衆院議員会館で開かれた記者会見では、原告団長の林力さんが自身の半生を振り返りました。現在94歳になる林さんは、約80年前に父親が鹿児島県内の療養所へ強制収容されて以来、常に発症の恐怖と隣り合わせで生きてきたそうです。家の中が真っ白に消毒される光景は、少年の心に深い傷を残し、父親からは「一生隠し通せ」と悲痛な手紙が届き続けました。

林さんは震える声で、「父の霊前に、もう隠す必要はないと報告したい」と語り、会場は静かな感動に包まれました。一方で、顔や名前を伏せたまま訴えを続ける原告の方も少なくありません。「私の人生と青春を返してほしい」という叫びは、教育の機会を奪われ、家族との絆を断ち切られた人々の共通した願いです。国には、こうした声に真摯に向き合う責任があるはずです。

私は、今回の控訴断念という判断を強く支持します。法律が廃止された1996年まで、あるいはそれ以降も続いてきた「家族への差別」は、放置されてはならない人権侵害でした。司法が国の過ちを認め、政府がそれを甘んじて受け入れた事実は、日本の民主主義における大きな進歩だと言えるでしょう。これから必要なのは、金銭的な補償だけではなく、心の傷を癒やすための継続的な支援です。

全ての被害者を救うために、息の長い対策が求められる

弁護団の共同代表を務める八尋光秀弁護士は、失われた人生を取り戻すためには、全ての家族を対象とした「息の長い対策」が不可欠であると強調しています。訴訟に参加した一部の原告だけでなく、今もなお声を上げられずにいる多くの家族を含めた、広範な補償制度の創設が必要です。国には謝罪の言葉を述べるだけでなく、具体的な支援策を早急に構築することが求められるでしょう。

現在、鳥取地裁や広島高裁松江支部でも同様の訴えが続いていますが、今回の政府の判断はこれらの裁判にも大きな影響を与えるはずです。弁護団の神谷誠人弁護士も、最高裁が判断を覆したり、国との和解を勧告したりする可能性が高まったと分析しています。一つの判決が、全国で戦う他の被害者たちの希望の光となっている事実は、決して見逃すことができません。

これからの日本社会が取り組むべき課題は、ハンセン病に対する正しい知識を広め、偏見を根絶することです。国が全力で対策を講じるのはもちろん、私たち一人ひとりが歴史を学び、二度と同じ過ちを繰り返さないという決意を持つことが大切でしょう。2019年07月09日は、差別の歴史に終止符を打ち、共生社会へと踏み出すための記念すべき一日として、記憶されるべきではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました