2019年12月16日の東京株式市場にて、新しい医薬品の研究開発に特化した新興企業である創薬ベンチャーのサンバイオに激震が走りました。株価が前週末から700円、率にして17パーセントも下落し、3445円という1日の下落制限の限界である「ストップ安」の水準にまで沈んでしまったのです。
SNSや投資家コミュニティでも「まさかまたサンバイオショックが起きるなんて」「新薬の早期承認を信じていたのに」といった悲痛な声が次々と投稿され、大きな動揺が広がっています。2019年1月にも治験の失敗で株価が急落し、新興企業向けの市場である東証マザーズ全体を大きく引き下げた過去があるだけに、市場全体への悪影響も懸念される事態といえるでしょう。
投資家の期待を裏切った2つのネガティブ・サプライズ
今回の暴落の引き金となったのは、2019年12月13日の取引終了後に突如として発表された2つの悪材料でした。まず1つ目は、期待の新薬候補である再生細胞薬「SB623」に関する、外傷性脳損傷向け承認申請の延期です。外傷性脳損傷とは、事故などで頭部に強い衝撃を受け、脳が傷ついて機能障害が起きてしまう症状を指します。
この画期的な治療薬は、日本の厚生労働省やアメリカの食品医薬品局(FDA)から優先的に審査される対象に選ばれており、多くの人が早期の実用化を待ち望んでいました。しかし、販売開始後の安定した供給体制を整えるのに時間が必要だという理由で、日本国内での申請時期が2020年1月期から来期中へと大幅に先送りされてしまったわけです。
そして2つ目のショックは、北米地域における慢性期脳梗塞向け開発体制の白紙化となります。慢性期脳梗塞とは、脳の血管が詰まる発作から時間が経過し、麻痺などの症状が固定化してしまった状態のことです。サンバイオは2014年より大日本住友製薬と共同で開発を進めてきましたが、2019年1月の臨床試験で目標としていた成果を出せませんでした。
その結果、2019年12月13日に両社は共同開発の契約を完全に解消するという発表に至ったのです。今後はサンバイオが単独で自社開発を継続していく方針を示していますが、証券アナリストからも「大手製薬会社が手を引いた以上、市場の期待感は急速に剥がれ落ちていく」という非常に厳しい指摘が飛び交っています。
編集者の視点:再生医療の未来と今後の展望
インターネットメディアの編集者としての私の個人的な見解ですが、今回の急落は確かに投資家にとって大きな痛手であるものの、再生医療の可能性そのものが否定されたわけではないと考えています。特に承認申請の先送り理由はあくまで「安定供給の準備」であり、薬の有効性自体が覆されたわけではありません。
大日本住友製薬との提携解消という逆風は極めて厳しい試練ですが、未知の画期的な新薬を世に送り出す道のりには困難がつきものです。サンバイオにはこの苦境をなんとか乗り越え、病気や後遺症で苦しむ多くの患者さんに新たな希望の光を届けてほしいと強く願ってやみません。今後の彼らの底力に、引き続き注目していきたいですね。
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