JFEホールディングスの株価が急落!投資判断引き下げの背景と鉄鋼業界の厳しい現実とは?

2019年09月18日の東京株式市場において、大手鉄鋼メーカーであるJFEホールディングスの株価が一時、前日比70円安の1313円まで叩き売られる場面がありました。この急落の引き金となったのは、前日に発表された三菱UFJモルガン・スタンレー証券による投資判断の下方修正です。市場では「やはり鉄鋼セクターは厳しいのか」といった落胆の声が広がっており、機関投資家によるまとまった売りが相場を押し下げる結果となりました。

今回、同証券の黒坂慶樹氏は、投資判断を3段階で最も高い「オーバーウエート」から、中立を示す「ニュートラル」へと引き下げています。投資判断とは、証券会社が独自の調査に基づき、その銘柄が市場平均と比べて買いか、あるいは静観すべきかを示す指標のことです。さらに、目標株価についても従来の2590円から1660円へと大幅に下方修正されており、この弱気な見通しが投資家心理に冷や水を浴びせたことは間違いありません。

SNS上では「JFEの下げ幅がえぐい」「配当利回りは魅力的だが、これだけ下げると手が出せない」といった悲鳴に近い反応が相次いでいます。鉄鋼株は景気敏感株の代表格ですが、ここまでの急落は個人投資家にとっても衝撃的だったようです。終値ベースでも前日比5%安の1318円50銭となっており、市場全体に漂う鉄鋼セクターへの不信感を象徴するような、重苦しい取引一日となったのではないでしょうか。

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鋼材需要の伸び悩みと不透明な業績見通し

なぜここまで厳しい評価が下されたのか、その理由は主力の鋼材需要の減退にあります。黒坂氏は、採算改善への努力は認めつつも「需要の伸び悩みにより一筋縄ではいかない」と警鐘を鳴らしました。実際、2020年03月期の連結事業利益の見通しは、従来の2000億円から1300億円へと大幅に下方修正されています。事業利益とは、本業の儲けを示す指標であり、これが3割以上も削られたことは経営の厳しさを物語っています。

背景にあるのは、世界的な景気の先行き不透明感です。設備投資を控える企業が増加した影響で、工作機械向けの鋼材需要が目に見えて鈍化しています。さらに追い打ちをかけるのが、海外市場における自動車販売の不振です。自動車は鉄の塊とも言える存在ですから、その販売減は鉄鋼メーカーにとって死活問題となります。海外では鋼材市況そのものも悪化しており、JFEを取り巻く外部環境はまさに逆風が吹き荒れている状態です。

一方で、国内に目を向ければ、自動車向けなどの大口顧客に対して鋼材の値上げが浸透しつつあるという、一筋の光も見えています。しかし、グローバルな需要減を国内の値上げだけでカバーするのは至難の業でしょう。筆者の私見としては、鉄鋼業界は今、構造的な転換点に立たされていると感じます。コスト削減だけではなく、高付加価値製品へのシフトや環境対応など、従来の延長線上ではない抜本的な改革が求められているのです。

注目すべき指標として、現在のPBR(株価純資産倍率)は0.39倍という極めて低い水準にあります。PBRとは、企業の資産価値に対して株価が何倍まで買われているかを示す尺度で、1倍を割り込むと「解散価値を下回る」と言われ、異常な割安状態を意味します。市場関係者からは「これ以上の採算悪化さえなければ、見直し買いが入る」との予測も出ていますが、まずは底打ちを確認するまで慎重な姿勢を崩すべきではないでしょう。

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