2019年12月11日、今年の冬のボーナス支給状況が明らかになりました。全体としては7年ぶりに減少へと転じる厳しい局面を迎えていますが、内訳を詳しく紐解くと、業界ごとに明暗がはっきりと分かれる興味深い結果となっています。
特に注目を集めているのが、2桁増という驚異的な伸びを見せた情報・ソフトウエアや印刷、そして建設業界の躍進です。SNS上でも「IT業界の勢いがすごい」「自分の業界と差がありすぎて驚く」といった、支給額の格差に対する切実な声が数多く寄せられています。
こうした好調な業種に共通しているのは、旺盛な需要を背景とした業績の拡大です。さらに深刻な人手不足に直面している業界では、優秀な人材を繋ぎ止めるために待遇を改善しようとする、経営側の強い意志がボーナス額に色濃く反映されているのでしょう。
驚異の2.4倍!安江工務店が示す生産性向上の果実
今回、増加率で圧倒的な首位に輝いたのは安江工務店でした。2018年の冬と比較して2.4倍という驚異的な伸びを記録しており、住宅リフォーム事業の絶好調ぶりが伺えます。2019年12月期の売上高も過去最高を更新する見込みで、まさに破竹の勢いですね。
同社がこれほどまでの成長を遂げた背景には、ドローンを活用した外壁調査など、最新技術の導入による「生産性向上」の努力があります。生産性向上とは、より少ない労力や時間で大きな成果を生み出す工夫を指しますが、その成果が社員へ還元されるのは理想的な形です。
印田昭彦取締役は、支給額が約93万円に達した現在も「まだ絶対額が低い」と語っており、さらなる高みを目指す姿勢を崩していません。こうした社員の生活向上を第一に考える企業の姿勢こそが、結果として顧客満足度の向上にも繋がっていくのではないでしょうか。
IT業界の追い風と製造業が直面する在庫調整の壁
ITサービス大手のJBCCも、47.6%増という素晴らしい伸びを見せました。こちらの企業では「業績連動型賞与」という、会社の利益に応じて支給額が変動する仕組みを導入しています。2019年はクラウド導入やセキュリティー対策の需要が爆発した年でした。
さらに2019年10月の消費税増税に伴うシステム改修や、OSの更新需要といった特需も追い風となったようです。現代社会のインフラを支えるITエンジニアの価値が、ボーナスという目に見える形で正当に評価されている現状は、非常に喜ばしいことだと私は感じます。
一方で、これまで日本の経済を牽引してきた製造業は、世界的な景気減速の波に晒されています。例えば東海カーボンでは、主力製品である黒鉛電極の在庫調整が長引いたことで、支給額が約3割も減少する事態となりました。これはまさに、世界経済の連動性を物語っています。
今回のボーナス調査からは、旧来のビジネスモデルに安住せず、デジタル化や効率化を推進した企業が勝者となる時代の転換点が鮮明に映し出されています。単なる「景気の良し悪し」ではなく、企業の変革力が個人の給与を左右する時代が、いよいよ到来したのです。
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