就職活動に励む学生たちの間で、大きな動揺が広がっています。就職情報サイト最大手「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、学生の同意を十分に得ないまま「内定辞退率」のデータを企業に販売していたことが明らかになりました。厚生労働省はこの事態を重く受け止め、2019年09月04日までに、同社に対して職業安定法に基づく行政指導を行う方針を固めたようです。就職活動の透明性が問われる、極めて異例の事態へと発展しました。
今回の問題の核心は、人工知能(AI)を用いた「スコアリング」という手法にあります。これは、学生のサイト閲覧履歴などの行動データから、その人が内定を辞退する確率を予測して数値化するものです。本来、個人の行動から合否を左右しかねない予測値を算出する場合、厳格な本人の合意が欠かせません。しかし、同社は説明が不十分なままデータを38社もの企業に提供していたため、個人情報の取り扱いが不適切であると厳しく指摘されているのです。
SNS上では、このニュースに対して怒りや不安の声が止みません。「自分のデータが勝手に売られていたなんて信じられない」といった悲痛な叫びや、「企業に選別されるための道具にされたようで不快だ」という書き込みが目立ちます。また、一部では「効率化は理解できるが、就活生への敬意がなさすぎる」との意見も見受けられ、利便性と倫理観のバランスが崩れた現状を嘆く投稿が拡散し続けている状況と言えるでしょう。
法的な観点と購入企業への徹底調査が続く現状
厚生労働省が根拠とする「職業安定法」とは、求職者が安心して仕事を探せるよう、公正な採用活動や個人情報の保護を定めた法律です。今回の行政指導は、リクルートキャリアがこの法律で守られるべき「個人の尊厳」を軽視したと判断された結果に他なりません。単なる規約違反という枠を超え、就職支援ビジネスの根幹を揺るがす法的な問題として、政府が毅然とした態度を示したことは、今後の業界のあり方に一石を投じるはずです。
さらに、問題の影響はリクルートキャリア一社に留まりません。厚生労働省は、実際にこの予測データを購入していた38社の企業に対しても、引き続き詳細な調査を継続しています。企業側がこのデータを採用選考にどのように活用していたのか、実態の解明が急がれているのです。もし合否の判定に直接利用されていたとすれば、就活生が受ける不利益は計り知れず、採用活動の公平性が根本から崩壊してしまう危険性もはらんでいるでしょう。
編集者の視点から申し上げますと、テクノロジーの進化が人間の倫理を追い越してしまった象徴的な事件だと感じます。データ分析は確かに便利ですが、その背後には生身の人間が存在し、その人生を左右する重みを忘れてはなりません。AIは人を幸せにするためにあるべきで、管理や選別の道具として独り歩きすることは、決して許されるべきではないのです。信頼こそがサービスの価値であるはずの就職情報サイトが、自らその信頼を壊した罪は重いと言えます。
今後は、2019年09月04日以降に進められる行政指導の内容とともに、企業側の説明責任が厳しく問われる局面が続くと予想されます。私たちは、便利なサービスの裏側で自分のデータがどう扱われているのか、より敏感になる必要があるのかもしれません。就活生が安心して将来の夢を追いかけられる社会を取り戻すためにも、今回の問題を機に、データ活用のルールの再構築が行われることを切に願ってやみません。
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