リクナビ「内定辞退率」販売問題で新組織設立へ!学生の信頼回復と個人情報保護の再定義に挑むリクルートキャリアの現在地

就職情報サイトの最大手「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、大きな転換点を迎えています。2019年9月30日、同社は「内定辞退率」のスコア販売問題を受け、新卒事業の在り方を根本から見直す新組織を2019年10月1日付で発足させると発表しました。政府の個人情報保護委員会から受けた是正勧告に対し、再発防止策の進捗をまとめた報告書を提出したことも明らかにしており、事態の収束と信頼回復に向けた動きが加速しています。

今回設置される「新卒事業検討プロジェクト」は、小林大三社長の直轄組織という非常に重みのある位置付けです。メンバーには社長自らが名を連ねるほか、大学向けの商品開発や営業を担う現場の社員も参加し、多角的な視点で議論が行われる見通しでしょう。主な検討事項は、予測の対象となった2020年3月卒業予定の学生への対応や、今後就職活動をスタートさせる学生向けサービスの抜本的な見直しとなっており、企業の利益よりも学生の不利益解消が優先されるべき局面です。

SNS上では、自身のデータが同意なくスコアリングされていたことに対し、「就活生を商品として扱っている」といった厳しい批判や不安の声が相次いでいます。こうした不信感を重く受け止め、同社は2019年9月30日に19年卒の学生を対象とした専用の問い合わせページも新設しました。2019年8月の問題発覚から2019年9月25日までに寄せられた問い合わせは約540件に上り、一部の学生には提供先企業名や個別の辞退率データなどの開示も始まっている状況です。

ここで改めて整理しておきたいのが、今回の問題の本質です。「内定辞退率」の予測販売とは、学生の閲覧履歴などのビッグデータをAIで分析し、その学生が内定を辞退する確率を算出して企業に提供する仕組みを指します。しかし、自分の知らないところで勝手に「裏の評価」が売買されていた事実に、多くの若者が恐怖を覚えたのは当然でしょう。これは単なる規約違反を超え、テクノロジーを扱う企業の倫理観が厳しく問われている事態だと言わざるを得ません。

法的な側面では、2019年8月に個人情報保護委員会が是正を求める勧告を出し、続く2019年9月には厚生労働省による行政指導が行われました。同委員会と厚労省は、辞退率データを購入していた38社に対しても調査を進めており、日本全体で個人情報の適切な取り扱いが再考されています。データの利活用は便利な反面、一歩間違えれば個人の尊厳を傷つける武器になります。今回の新組織には、形だけの反省ではなく、学生に寄り添った誠実な仕組み作りを強く望みます。

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