厚生労働省は、全国に2万以上存在するとされる小規模な介護や保育の社会福祉法人の連携を促進し、経営の効率化を図るための新しい仕組みを導入する方針を固めました。これは、一般的な企業の「持ち株会社」に似た方式を取り入れ、複数の社会福祉法人を一つの大きな法人グループの傘下にぶら下げることで、人材や資金をグループ内で柔軟に融通し合えるようにするのが目的でございます。現在、多くの小規模法人が非効率な運営を強いられている側面があり、この新制度によって経営基盤を抜本的に強化し、提供されるサービス水準の充実にも繋がることが期待されているのでございます。
この新しい制度の対象となるのは、特別養護老人ホームや訪問介護といった高齢者向けサービス、あるいは児童養護施設や保育所などの子ども向けサービスを手がける社会福祉法人です。これらの法人の多くは、一つの施設を一つの法人が運営する形態をとっており、企業の売上高に相当する「収益」が年間3億円に満たない小規模な法人が全体の半数以上を占めている状況にあります。そこで厚労省は、これらの小規模な社会福祉法人が協力し合えるよう、持ち株会社のような機能を持つ別の法人を立ち上げ、その下に各社会福祉法人を置く「持ち株会社型」の連携を認める計画でございます。
この具体的な方策は、2019年の夏までにまとめられ、早ければ2020年の通常国会に社会福祉法関連法の改正案が提出される見通しです。この持ち株会社型によって、経営が実質的に一体化すれば、グループ内での職員の異動や資金のやり取りが非常に容易になります。当面は、例えば介護施設の事務担当者に時間的な余裕ができた場合、同じグループ内の保育所の業務を手伝ってもらうといった、限られた人材を有効活用する運用が想定されています。また、保育事業を行う複数の法人を一つの傘下に集約し、採用活動や研修を一括して行うことも可能になるでしょう。
現在の社会福祉法では、このような再編は想定されていません。合併という手段はありますが、統合時の複雑な会計処理などがネックとなり、実際に統合に至るケースは年間で10件から20件程度に留まっている状況でございます。それに比べ、持ち株会社型であれば、個々の社会福祉法人の独立性が保たれるため、各法人の経営者も前向きに検討しやすくなるという大きな利点がございます。私見ですが、この仕組みは、規模の拡大だけでなく、各法人の得意分野を活かしつつ弱点を補い合える協業体制を生み出す素晴らしい一歩だと考えています。
厚労省がこうした事実上の再編を急ぐ背景には、深刻な人手不足と投資効率の悪さという二つの大きな課題があります。特に介護職の有効求人倍率は、2018年度に3.90倍という高い水準に達しており、新規に人材を確保することが極めて困難な状況です。そのため、既存の貴重な人材をいかに効率的に活用するかが喫緊の課題となっています。一方で、法人税が非課税となる社会福祉法人は、資金を外部に流出させることに厳しい制限があり、特別養護老人ホームなどの内部留保は、全国で1兆円を超えているという試算も出ています。
新制度では、グループ内にある法人間での資金の移動が認められる方向で調整が進められており、これにより、資金繰りの改善が期待されます。例えば、施設を増設する必要がある首都圏の保育所に対し、内部留保に余裕がある他のグループ法人の資金を回すといった、地域やニーズに応じた柔軟な資金活用が可能になるでしょう。このようなグループ化の動きは、医療分野においてすでに先行例があります。2017年から、複数の病院を一体運営する「地域医療連携推進法人」の仕組みが導入されており、医療機器の効率的な導入や医薬品の共同購入、病院ごとの機能分担などで顕著な成果を上げている事例が見られます。
厚生労働省は、この病院での成功事例を参考にして、社会福祉法人のグループ化を積極的に推し進める考えです。この制度が実現すれば、小規模で非効率的だった法人が力を合わせ、利用者の方々に対し、より質の高い、安定したサービスを提供できる体制が整うでしょう。このニュースはSNSでも大きな反響を呼んでおり、「小さな法人の安定経営に繋がるなら良いことだ」「資金の融通は助かる」「医療の成功例に期待したい」といった前向きな意見が多く見受けられました。人手不足が続く社会福祉の現場にとって、この「持ち株会社型」の一体運営制度は、まさに未来を切り拓く希望の光となると確信しています。
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