私たちの生活に欠かせないエネルギーの在り方が、今まさに大きな転換点を迎えています。経済産業省は2019年08月05日、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及を支えてきた「固定価格買い取り制度(FIT)」を、新規認定分から終了させる方針を固めました。2020年中には関連法の改正を目指すというこの動きは、日本のエネルギー政策における歴史的な一歩と言えるでしょう。
そもそもFIT制度とは、再生可能エネルギーで発電された電気を、電力会社が一定期間・一定価格で買い取ることを国が約束する仕組みです。2012年から導入されたこの制度により、多くの企業や家庭が安心して発電事業に参入できるようになりました。しかし、買い取りにかかる膨大な費用は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として、毎月の電気料金に上乗せされる形で国民が負担しています。
2019年度の買い取り総額は約3.6兆円にも達し、そのうち利用者が負担する額は約2.4兆円という驚くべき規模に膨れ上がっています。SNS上でも「再エネは応援したいけれど、毎月の電気代が上がり続けるのは厳しい」といった声が散見されており、コスト負担の適正化を求める世論が強まっていました。今回の制度見直しは、こうした家計の悲鳴に応えるための抜本的な改革なのです。
経産省が作成した中間整理案によれば、太陽光や風力の発電コストは技術革新によって着実に低下しています。これまでは手厚い保護が必要な「未熟な電源」でしたが、今後は自立したビジネスとして成り立つ段階に入ったと判断されました。今後は、市場の価格変動に合わせたより健全な競争が促されることになります。これは、再エネが補助金頼みから卒業する「成人式」のようなものかもしれません。
新制度「FIP」への移行がもたらす再エネの自立と未来
新制度では、発電事業者が自ら販売先を開拓したり、電力卸市場で売買したりすることが求められます。これまでの「作った分だけ決まった価格で売れる」という環境から、電力需要を見極めながら供給する高度な経営判断が必要になるでしょう。一方で、投資の予見性を確保するため、市場価格が基準を下回った際に国が差額を補填する「FIP(フィード・イン・プレミアム)」のような仕組みが検討されています。
このFIP制度とは、市場価格に一定の補助金(プレミアム)を上乗せして支払う方式のことです。これにより、事業者は市場の動きに敏感になり、電気が不足して価格が高い時間帯に積極的に供給するようになります。SNSでは「より効率的な発電が進むのでは」と期待する声がある一方、事業者の収益が不安定になることを懸念する専門家の意見も見受けられます。
筆者の視点としては、この改革は「再エネを日本の主力電源にする」という強い覚悟の表れだと感じています。補助金による延命ではなく、市場競争の中で生き残る強さを備えてこそ、真に持続可能な社会が実現するはずです。国民の負担を抑えつつ、地球環境を守る技術が普及していくことは、将来の世代に対する私たちの責任でもあります。この舵取りが、日本のエネルギー自給率向上に繋がることを期待して止みません。
制度の切り替えは、普及が先行している太陽光発電から順次適用される見通しとなっています。今後の具体的な法改正の議論や、私たちの電気料金にどのような影響が出るのか、2020年に向けた動向から目が離せません。エネルギーの未来を自分事として捉え、賢く選ぶ時代がやってきたと言えるでしょう。最新の情報をもとに、私たちも日々の暮らしを見直すきっかけにしたいものです。
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