2019年8月9日、内閣府から注目の「2019年4-6月期国内総生産(GDP)速報値」が発表される予定です。GDPとは、国内で一定期間に生み出された付加価値の合計を指し、国の経済的な活力を示す最も重要な指標の一つと言えます。今回の発表は、同年10月に控えた消費税率引き上げの是非や、その後の景気対策を占う上で極めて重要な意味を持っているのです。
民間調査機関13社のエコノミストによる予測をまとめると、実質GDPの成長率は年率換算で平均0.3%増という厳しい数字が並びました。前回の2019年1-3月期が2.2%増という力強い伸びを記録していただけに、今回は成長の急ブレーキがかかる見通しです。一部の専門家からはマイナス成長に転じる可能性も指摘されており、市場には緊張感が漂っています。
令和の大型連休と米中貿易摩擦の明暗
今回の景気動向を読み解く鍵は、光と影のコントラストにあります。2019年5月の改元に伴う10連休という異例の大型連休は、観光や外食などの個人消費を力強く押し上げました。人々が新しい時代の幕開けを祝い、財布の紐を緩めたことは経済にとって大きなプラス材料です。しかし、この内需の盛り上がりを打ち消すほどに、外需、つまり輸出の不振が深刻な影を落としています。
背景にあるのは、激化の一途を辿る米中貿易摩擦です。世界経済の二大巨頭が対立することで、日本の製造業や輸出企業は厳しい舵取りを強いられました。世界的な景気減速の懸念が広がる中で、日本製品への需要が停滞し、輸出の低迷が成長率を押し下げる要因となっています。SNS上でも「連休は賑わっていたけれど、製造業の知人の話を聞くと先行きが不安」といったリアルな声が散見されます。
編集部としては、今回の数字がわずかなプラスに留まったとしても、手放しで喜ぶことはできないと考えています。なぜなら、GDPは過去の通信簿に過ぎないからです。10月の増税による消費冷え込みが懸念される中で、輸出というエンジンが故障したままでは、日本経済は「片肺飛行」の状態と言わざるを得ません。政府には、単なる数字の公表に留まらない、実効性のある景気下支え策が求められるでしょう。
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